「人はそれを情熱と呼ぶ」

今 心に想うことのすべては
僕らにとって意味をなさないものになって
仮に、仮に本当に 君が笑うのならば
僕らはすぐにでも苦笑いの日々を越えてやる


だから僕ら あわれな僕ら 歌い出せばいいんだ
それだけで 何も無い日々から始めるべきだぜ
今ここから!


いつまでもこのまま 逃げていくわけには いかないぜ僕らは
君との日々を情熱と名付けさせて
いつまでもこのまま いじけているわけには いかないぜ僕らは
本当の日々に透明な光あてて


いつまでもこのまま 逃げていくわけには いかないぜ僕らは
君との日々を情熱と名付けさせて
いつまでもこのまま いじけているわけには いかないぜ僕らは
本当の日々に透明な光あてて

「のまネコ」騒動はネット右翼運動の変形?

騒動の開始から約1週間が経って、2ちゃんねる内ではまとめサイトが潰されたとか何とかで未だに紛糾している(らしい)当問題ですが、前回のエントリーで端緒を見せたエセ社会学的思考(nekonekoさんへのお返事の部分です)を進めてみた結果、なんだか自分なりに本問題の本質というか「そもそもなにが問題とされているのか」が何となく見えてきてしまい、急激に本問題への関心が低下してしまいました。


まあ、以下記述する内容が果たして本当に正鵠を得ているのかは解りませんし、単なる自分の妄想かもしれないのですけども、問題に対する関心が薄れているのは事実なので、本問題について書くのは多分これが最後になると思います。
なお、本エントリーでは(今までは割と擁護的に扱ってきた)所謂「2ちゃんねらー」の方々に対して、かなり批判的な事を書いているので、読まれる方はその点を予めご了承ください。
どうせ乱暴な内容なので、文体もいつもの敬語ではなく常態にしています。

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「のまネコ」話つづき

前回の記事に対してご意見ご批判を寄せてくださった方への返答を行いたいと思います。


森の人さんへの返答(前回の記事のコメント欄から)

前回の記事のコメント欄にコメントを寄せてくださった森の人さんへの返答です。

>>アスキーアートの商業利用そのものを許さないという意見


1.この騒動以前にのまネコという名称は有名だったのですか?
 (C)のまネコ製作委員会、というのが出来るまで
 のまネコという名称を誰も知らなかったような。
みんなモナーだと思っていたはず。


2.それと商標登録される事によりモナーAAが使えなくなる
 可能性が出てきたので、大きく騒がれているのだと思います。


よって、MTVの時点で騒動にならなかったのは
ダブルスタンダードとは違うと思います。
一部過激な意見もありますが、
大半の2chネラーは
権利が侵害されるのと、無闇に権利を振りかざさない事を
よく理解した上での行動だと思います。

「「商品化すること」自体が批判対象であるとの意見について」では、それが「モナー」と呼称されるものであろうが「のまネコ」と呼称されるものであろうが、とにかく「ネット発の(特定権利者に拠らない)創作物を勝手に商品として売りだすのが悪だ!」と主張される方に対してのリジョインダーを行ったつもりだったのですが、森の人さんが言われているのは「モナー」を「のまネコ」という「別キャラクター」として売りだすことに怒りを表明している方の意見、ですよね?そうした方へのリジョインダーは前回の記事中では行っていないと思いましたが…。


1に関しては事実関係としてその通りだと思いますけれども、2についてはもしかして「商標登録によってavex社がアスキーアートについての権利を独占し、それによりモナーが使えなくなる」という、2ちゃんねるの一部で言われていた(ような気がする)主張のことを言われているのでしょうか?アレは単なる被害妄想だと思ったので、前回の記事中では触れなかったのですけど…。最近発表されたavex社の公式見解でも「皆様において「モナー」等の既存のアスキーアート・キャラクターを使用されることを何ら制限するものではございません」とコメントが出ているので、少なくとも現状では心配する必要のない事柄だと思いますよ。

今日のどうでもいいあれこれ世界は寒い)への返答

はてな揉め事マスターズの一人であるid:fake-jizoさんからコメントを頂きました。ありがとうございます。

うーんと、特に内容に対して反論は無いんだけどさ。そもそもこの件今頃騒いでいる所から見ても2ch側がavexから金ふんだくるために仕掛けた茶番にしか見えないんで*1あまり深入りする気自体がない。


それはいいとしてここでは2chが草の根的コミュニティみたいな感じで捉えられていて人工事実にも似たような記述があったんだけど*2、あれずっと最初から企業運営*3でしょ。東京アクセスとかもう覚えている人いないのかな、ってそんなわけはないだろうけれども。当初企業運営ということを隠して営業してたのをある人がすっぱ抜いて(一部で)話題になったじゃないか。その是非を今更問う気は全くないけれども、だから不特定多数が集まったコミュニティ内のオープンソース的な権利主体という考え方には違和感が。そのようなコミュニティがあることは事実としても、結局権利主体自体はあるんじゃないのかなーと。って私がこんなこと力説する必然性は全然ないんだけどな。

2ちゃんねる発足当初の状況や運営母体の変遷については、当時中学生だった*1僕如きが語れる事は何も無いので割愛させていただきたいのですけれども、2ちゃんねるが企業によって運営されていると言う事ぐらいは知識として存じてはいました。
ただ、今回の問題の争点となっているアスキーアートキャラクターの「モナー」とか「ギコ」とかは、(企業運営のコミュニティではない)完全な日本の草の根コミュニティである(ですよね?)あやしいわーるどで誕生したもので、しかもあやしいわーるどから2ちゃんねるに正式に移譲されたようなものではなく、前者のコミュニティから後者のコミュニティへ盗用される事で定着したものですから、(実際にそうであるかは別として)2ちゃんねるを「草の根的コミュニティ」と捉えた上で論じた方が問題が見えてきやすいかなあと考え、そのような記述の仕方をさせていただきました。


これは僕の個人的な考えで特に根拠はないのですけれども、id:number29さんによるエントリー「2chについて私が知っている二、三の(どーでもいい)事柄」にもありましたが、2ちゃんねるはあえて「企業⇔個人」の運営母体を曖昧にすることで一種の「草の根幻想」を生み出していて、(本当の草の根である)あやしいわーるどあめぞうからの盗用によってアスキーアート文化を2ちゃんねるに根付かせた人々は、そうしたコミュニティ幻想に(自覚的であれ非自覚的であれ)のっかった上でアスキーアートを用いてきたのだろうと思うので、本当に2ちゃんねるがそういうものであるかは別として、少なくとも2ちゃんねるユーザーの側から見た2ちゃんねるは(今も昔も)「草の根的なコミュニティ」であって、アスキーアートもそうした幻想の中で用いられる事で一種の共同幻想を強化する役割を果たしてきたのではないかと思います。これについては次のid:nekonekoさんへの返答でもう少し詳しく書くと思います。

私は直接的には全く関係ないが噂で聞いた話だと2chから端を発したflashの世界って現在商業化路線に向いているそうで、それはそれで私は一向に構わないつうかそんなことであれこれ言うほど若くはないのだけど*4、この件で「相応な対価」を支払うことが前例になっちゃうと今後困ることがあるんじゃないですかね。まあ「相応な対価」の額にも拠るだろうけど。

Flashはじめとするウェブアニメーションの商業化については、正直なところまだ行われはじめてから日が浅すぎて今後どのような展開をしていくかは読めないところがあるのですけれども、アスキーアートキャラクターを使用したウェブアニメーション作品の現状については、

  1. 既存のアニメーションのパロディ作品が主流であること(代表的な例では「2ちゃんねる大王」など)
  2. アスキーアートキャラクターの見た目上、対象年齢が少年以下向けの作品以外は作りにくい事
  3. 商業化に貪欲な人はわざわざ既存のアスキーアートキャラクターなど使わずオリジナルで勝負する傾向がある事

……などの理由から、それら作品の作者の側にそもそも商業化への意思が薄いので、今回の「マイヤヒー」のような「著作権違反のパロディ作品にも関わらず公式作品として認められた」特例的な一部の作品を除けば、ことさらに問題になるような事は少ないと思います。多分、ネットのキャラクターを使う以上はネットから出ていく事は出来ないし、そうした事をする必要もないという意識なのでしょう*2
ちなみに、23日のFlashイベント「flash★bomb'05 THE THIRD IMPACT」にはアスキーアートキャラクターを使用した作品も何点か出品されるらしいですが(まだラインナップの発表がないので本当かどうかは不明)、今回のイベントを主催している有限会社パズブロック西村氏を相談役に据えているような企業なんで、権利問題は心配ないようです。

ワレザーは「ファイルを広めたのは俺たちだから」と金銭を要求するので嫌い( ’-’)ノ双恋が来たので閉鎖しますマックスハー)への返答

あやしいわーるど住人であるid:nekonekoさんからコメントを頂きました。ありがとうございます。

 avex社は企業としてのモラルを守り、「のまネコ」の元ネタであるアスキーアートを提供した*8ネットコミュニティの代表者としての西村博之氏に相当な対価を与えるべきである

 こいつの屁理屈だとあめぞうあやしいわーるどにも相当の対価を与えるべきであるのに意図してか抜いていてせこい。唐辛子は韓国発祥ではないが韓国でキムチとして大量消費されてきた歴史があるので、大ヒットしたハバネロの使用料を韓国に支払うべき、ということになる。同族嫌悪というか、韓国のパクリネタにとやかく言えないよな連中も。

「それは屁理屈だ」と言う指摘に対して更に屁理屈を捏ねるようで恐縮なのですけれども、「「のまネコ」は果たしてオリジナルキャラクターと言えるのかについて」の項で述べたとおり、avex社は今回「のまネコ」を製作するに当たって、明らかに(あやしいわーるどあめぞうではなく)2ちゃんねるを参照して当該キャラクターを製作しているので、そうした意味では(nekonekoさんは皮肉として書かれているのだと思いますけれども)「のまネコの起源は2ちゃん」であると言ってしまっても間違いではないと思います。
ややこしいので問題点を整理して図示しますと、↓
急いで作ったんで図がチャチですいません
…のような感じで、「のまネコ」の原型となった「モナー」や「ギコ」などのアスキーアートは、あやしいわーるどあめぞう2ちゃんねるのような経緯を辿って(あやしいわーるどから直接2ちゃんねるに伝わったものもあるでしょうが)剽窃によって継承されてきたものであり、元々の発祥を辿ればあやしいわーるどに(対価を受け取る動機である)作品に関する諸権利が帰属することになるでしょうが、今回「のまネコ」を作るためにアスキーアート剽窃を行ったavex社は、状況証拠から見ておそらく「2ちゃんねる」以外のコミュニティは参照しておらず、よって「元ネタの提供者」と見なされるべきは2ちゃんねるのみなのではないか、と思ったが故に上記の結論を出したのです。まあ、nekonekoさんが仰られる通り論理的には我ながらかなり強引だと思いますし、実態は屁理屈に近いものかもしれませんけども…。

 また、コミュニティ幻想を未だに引きずっているのも辛い。創作したものがあったとして、それは参加しているみんなのものや運営者のものではなく、創作した人物が権利を有するブツ。権利関係は漫画・同人誌関係の住民比率が高いからか双葉の連中の方が一歩上で、OSキャラそれぞれの権利関係をしっかりさせていたからこそ石黒直樹を撃退できたのであって、盗用してきたキャラを盗用された2チャンコロは騒ぐことで問題を大きくして相手をびびらせようとすることしかできないのと対照的です。そんなんだからふたばの連中からも自称「2ちゃんねらー」*1はチャンコロ呼ばわりされるのです。

法律的には全く仰るとおりだと思いますけれども、今回僕は法律的なことには出来るだけ触れず、倫理的観点から問題を考えていきたいと考えていたので、運営者である西村氏に創作の権利が帰着するかのような書き方をしてしまったのですけれども、それについて法律的な根拠は何も無いです。故に、法律問題だったOSキャラ問題を引きあいに出したのはいささか軽率だったと思い、当該エントリーを修正しておきました。申し訳ありませんでした。


2ちゃんねるのコミュニティ幻想に関しては、本問題について考えている途中で思い当たったのですけれども、先ほどid:fake-jizoさんにご返答させて頂いた内容にも関連して、創作するものが「みんなのもの」だと(法律的な権利の問題ではなく)心理や倫理のレベルで錯覚しているために、今回のような問題が噴出するのではないかと。つまり、それが商業利用であれそうでないものであれ、「2ちゃんねる」と言うコミュニティの内部にいる「仲間」(「みんなのもの」の「みんな」に当たる存在の一人あるいは企業など)がそれを行う限りは「OK」で、今回のavex社のようにそれが完全に外部的な他者の行いになってしまうと、金銭問題とかに考慮せずとも全て「NG」と判断を下すような、ある程度巨大化したコミュニティにありがちな他者排除の原理*3が働いているのでは。


id:fake-jizoさんが「世界は寒い - コメント欄を受けて」で「それなのになんでネット通販の発表でここまで騒ぐのか?」と述べられていたり、id:doumotoさんが「光ちゃんステキ( ̄ー ̄)。 - ダブルスタンダード」で「AVEXが使うのは駄目で、個人の有志が使うのはOKなの?」と述べられているのは、2ちゃんねる外部にいる方の違和感の表明としてはもっともだと思うのですけれども、あそこにいる人達はそうした批判が聞こえないほどに「外部のだれか」が自分達の領域に手を延ばしてくることを恐れていて、それ故自分達に(内部的に)擦り寄ってくる、モナーを書いたステッカーを販売する「2ちゃんねらー」の人や、2ちゃんねるネタを嬉々として使うドワンゴのCMは許せるが、内部的なコミュニティで「モナー」として認識されていた存在を「のまネコ」に変更するという「外部化」を行ったavex社を許せないのではないか。…と、なんかエセ社会学みたいな事を書いてしまいましたけれども、nekonekoさんのご指摘のお陰で、何だかこの問題がよりクリアに見えてきたような気がします。


皆様、貴重なご意見の数々ありがとうございました。

*1:しかも2ちゃんねるどころかあやしいわーるども知らなかった(笑)

*2:アスキーアートを用いること自体が、2ちゃんねるのようなコミュニティ内部でのコミュニケーションを取ることを目的としての行為なのかもしれません

*3:例としては2ちゃんねるの住人が今まで韓国に向けて行っていたような

週刊少年ジャンプ2005年度40号感想(ネタバレ注意!)

今までで一番遅れたかもしれません各作品の内容を覚えていらっしゃらない方も多いかと思いますので簡単な粗筋を付記することにします。

BLEACH

今週のあらすじ

異性から送り込まれたサイヤ人の刺客ベジータとナッパ。片腕をもがれて負けた天津飯と、ナッパの前に成す術もなかったクリリンにかわって孫悟空が登場。いきなりスーパーサイヤ人化しナッパを圧倒するも、持病の心臓病が悪化して窮地に立たされる。そんな彼の窮地にかけつけたのは人造人間17号と18号のコンビだった!!

普通こういう「主人公のダークサイドの力が暴走して云々」っていうエピソードは「AKIRA」とかの例を出すまでもなく情緒不安定な思春期的メンタリティのメタファとして機能するもんだと思うのだが、今の久保先生の筆致は(ナッパみたいな筋肉馬鹿キャラを何の衒いもなく描けてしまっているところに象徴的なように)良くも悪くも安定感がありすぎて一護の内面の不安定さの演出にまるでリアリティがない。単純にパワーアップしてるだけのドラゴンボールスーパーサイヤ人システムである卍解は普通にカッコよく描けているのだけど。

銀魂

今週のあらすじ

カブトムシが突然変異でゴリラになった。

神楽と言うキャラクターが「女」でも「少女」でもなく「子供」だってことに今頃気がついた。つーかこの漫画男性キャラとまともな関係性を築く(友人であれ恋人であれ)「女」や「少女」のポジションにあるキャラクターが一人もいないので主要人物の平均年齢が周囲の漫画より高いにも関わらず世界観は妙にガキっぽいものになっていて、それは少年漫画としては正しいのかもしれないがストーリー的には色々ソンなんじゃないかなあと思った。

家庭教師ヒットマンREBORN!

今週のあらすじ

某、県立高校。


卒業生を送る「仰げば尊し」の聞こえてくる講堂。その屋上には新3年生がいる。
“幸せなら手を叩こうぜ!”
ツナ、獄寺、ヒバリ、山本など仲間内での新3年生の肝試しの危険なベランダゲームが始る。それは屋上のベランダにつかまって手を離すごとに何回手を叩けるかを競う危険なゲーム。勝者はツナ。
「やっぱツナすごいよ。7回だもんな7回だぜ。」興奮する獄寺を尻目に、ツナはそんな事にはもはや興味すらなくなってきている自分を、高校生活の終わりを“青い春”の終わりが近い事を感じていた。そしてそれはツナだけではなく、ヒバリも山本もそれぞれの終わりを感じていた。ツナの幼馴染みであることで、周りから軽視されながらもここにいる事ができる獄寺は不可能な事は分かっていながらこの状態をいつまでも続けていたかった、いつまでもこのメンバーが天下で高校3年生でいる状態を。


春も終わり、教室では授業が行われている。
ついこの前3年になったばかりの高校生活なのに、仲間達は微妙な変化を見せ始める。
ヒバリは思っていた、俺はこれでいいのか?何処かで間違ったのか?これが自分なのか?何処で間違った?


野球部のエース山本は甲子園予選敗退て高校野球が終わっていた。取り戻せない事は分かっているあの一球、取り戻せない青春。目標を失い、“青い春”の終わりを他の仲間達より早く感じてしまっていた山本。屋上に立つツナを見上げて山本が呟く。
「……俺にはもうそこは高すぎる、もうガキじゃねえもんな」


獄寺が隣のツナに話しかける。
「ツナ、最近どうしたんだだよ『もうツナさんの時代は終わった』とか言ってる2年坊とかに“ツナ”って呼び捨てにされてるみたいだぜ“さん”とか無しでよ」
ツナには軽視されているのが自分ではなく獄寺だということは分かっていた。それでもツナは2年生の番長レオと屋上に立っていた。レオは今“青い春”の真只中に居る。
レオに焼きを入れる獄寺。屋上から消えていくツナ。
「ツナ なんでよー、一緒にやろうぜ」
苛立つツナ。
「何でもかんでも俺に頼るんじゃねえよ」
その日から一変して授業を真剣に受けるようになったツナとは裏腹に獄寺の中で何かが壊れた。
獄寺は2年生の不良グループを引き連れ無茶な喧嘩に明け暮れ、暴走に苦言を呈するツナをも無視し、完全に壊れていた。出口を無くした獄寺。


ツナ、獄寺、ヒバリ、山本、それぞれの青い春がいま終わろうとしている

( ´Д`)<すーいぎゅうーのつーのでーつーくられーたーまーちーでー


偽「青い春」な展開はさておいても、女性である作者さんが登場人物にいちいち本気で萌えてるので(推測)桜の下でボコにされるヒバリの絵とかがちゃんとエロティックなものに仕上がってるのが漫画的にとてもいいと思う。前々から思ってたけどこの人の画力なら普通の格闘ものもいけそうだし、いい加減既存のグダグダコメディ路線に飽きてきた頃なので完全に作品の方向性を変えてもいいんじゃないかと感じる。ギャグ漫画からいきなりバトルものに変化するのはいかにもジャンプ的な人気の取り方だが、まあ今の所タカヤなんかよりは全然面白いので。


つーか桜に弱いってドクターシャマルの植えつけた病気のせいだよね?桜クラ病。一発ネタのハズだったのにここまで引っ張ってきたのは凄いな。昔の事は全て忘却する荒木飛呂彦タイプの作者さんかとばっかり思ってたよ!

「のまネコ」問題についての私的見解と既出意見へのリジョインダー

問題発生の経緯と現状

昨年秋に「電影駄目虫超」のFlash作者わた氏によって発表され、インターネット上で話題になり、TV番組「ミュージックステーション」で放送されるなどのムーブメントを巻き起こしたFlash作品・通称「マイヤヒー」に登場するキャラクターが、(インターネットでは常識的にそうだと思われていた)匿名掲示板群2ちゃんねるアスキーアートキャラクター「モナー」ではなく、販売元であるavex社のオリジナルキャラクター「のまネコ」であるとしてavex社からグッズが販売されている問題が一部で波紋を呼んでいます。
以下、2ちゃんねるなどで行われている議論のまとめサイトである「のまネコ問題wiki」が現在閉鎖されてしまっているので、代替的なまとめサイトである「のまネコ問題のまとめ」から「経緯」を引用いたします。

もともと「電影駄目虫超」というサイトの「わた」という人がO-ZONEの「恋のマイアヒ」という曲を使ったFLASHを制作したのがことの始まりでした。
 そのFLASHは「恋のマイアヒ」の歌詞が「飲ま飲まイェイ」などと聞こえるという、いわゆる「空耳」に合わせて、AAキャラクターが動くというフラッシュ作品でした。(参考)
 その後、レコード会社のavexから「わた」さんに連絡が行きました。「わた」さんによれば、その連絡はポジティブなものであり、今後発売するCDに「わた」さんのフラッシュを利用したいということでした。「わた」さんはそれを了承しました。「何かのネタかと思いました。」
 また、フラッシュ作者としてのインタビューの際に、(インタビュー)「あの空耳、仕事中に考えたんですよ(笑)」とコメントしています。しかし各スレッドに記載されていた「空耳」と「わた」さんの歌詞がほぼ同一であり、このことから作者の創作性や著作権に関する認識に強い疑いが生じています。
そして2005年9月1日、avexが「のまネコ」というキャラクターのグッズ販売を始めました。(参考)
 ここに至り、巨大掲示板サイト「2ちゃんねる」(2ch.net)のユーザーから、「のまネコ」は2ちゃんねる内で広まっていた「モナー」などのAAキャラクターを無断で使用し、独占的に利益を得ようとしているのではないかとの批判がおきています。
 また、同キャラクターグッズのサイトに「(c)のまネコ製作委員会」というコピーライト表示があったため、同社および「わた」さんが、一般に広く共有されているAAキャラクターを「のまネコ」というオリジナルキャラクターとして独占権を得ようとしているのではないか、との懸念が広がっています。
 しかし、現状ではコピーライトが「のまネコ製作委員会」という名称にかかっているのか、「のまネコ」本体にかかっているのかわかりません。また現状では商標出願等は確認されておらず、独占の意思に関しては不明です。いずれにせよ、さらに情報を集めて「類似品による権利の濫用」などの問題を検討していく必要があります。

GilCrowsさんによる関連記事まとめもご参照ください。


以下ではタイトルに掲げたように、本問題に対する僕の私的見解の構築と既出意見に対するリジョインダーを行っていきますが、最初に断り書きを。この手の議論では得てして問題が「著作権的にどうだ」「法律的にどうだ」というような法律レベルの議論に強引に昇華されてしまうケースがままあるのですが、筆者である僕ことうぼしは一般常識的な法律にすら精通していない素人であり、そんな素人が(わかりもしない)法律言語を振り回すことによって主観と客観の倒錯した愚劣な議論を巻き起こす事は望むところではありません。法律の枠組みに現実を流し込むためではなく、現実の形に合う法律の型紙を探し出すためにこそ法曹のエクスパティーズは存在するということも踏まえて、今回に限らず僕がこの問題に言及する際には、その内容は客観的な法律言語などに基づいたものではなく、(「現実の形」をハッキリさせる為の)倫理的価値観に基づく主観的な判断であることを予め書き記しておきます。

のまネコ」は果たしてオリジナルキャラクターと言えるのかについて

現時点で最も大きな問題とされているのは、「のまネコ」のキャラクターグッズを販売しているavex社が、先のグッズの販売に「(C)のまネコ製作委員会」という、あたかも「のまネコ」というキャラクターが自社がオリジナルに創作したそれであるかのように見える表示をグッズの販売ページで掲げていることであるようです。もう一度「経緯」から引用しますと、

 また、同キャラクターグッズのサイトに「(c)のまネコ製作委員会」というコピーライト表示があったため、同社および「わた」さんが、一般に広く共有されているAAキャラクターを「のまネコ」というオリジナルキャラクターとして独占権を得ようとしているのではないか、との懸念が広がっています。
 しかし、現状ではコピーライトが「のまネコ製作委員会」という名称にかかっているのか、「のまネコ」本体にかかっているのかわかりません。また現状では商標出願等は確認されておらず、独占の意思に関しては不明です。いずれにせよ、さらに情報を集めて「類似品による権利の濫用」などの問題を検討していく必要があります。

とあります。


ここからは僕の私的見解になりますが、いくら名を変え品を変え別物と主張しようとも、そのデザイン的類似とそもそもの当該Flash作品の発生経緯から見て、「のまネコ」が「モナー」や「ギコ」などの2005年現在主に2ちゃんねるのコミュニティ上で用いられているアスキーアートキャラクターを参照した上で製作されているのは明らかであり、avex側は「2ちゃんねる」の代表である管理者の西村博之氏に対し、氏の運営するコミュニティで使われていた*1キャラクターを(キャラクターのそのままの利用ではないにせよ)商用に利用したことについての相当の対価を与えるべきであると考えます。


もとより日本のウェブサイトにおける当該曲「恋のマイアヒ」ことモルドバ共和国の男性3人組「O-Zone」による「Dragostea Din Tei」の大流行が、2ちゃんねるを中心とした掲示板やウェブログなどのコミュニティで当該曲が流行したことに起因していることは、現存している中では最大手と思われるまとめサイトマイヤヒー まとめ」の膨大なログが証明していますし、現在の「のまネコはモナーか否か」問題もまた2ちゃんねるのコミュニティの内部で紛糾しているものだと言う事を踏まえれば、作者側がどう考えていたにせよ、当該Flashのキャラクターが「主に2ちゃんねるで用いられているキャラクター」だと認識された上で(「マイヤヒー」を話題として取り上げたインターネットユーザーに)消費されていたことは明らかです。またavex側も、冒頭に挙げたミュージックステーションでの「恋のマイアヒ」の御披露目に主に2ちゃんねるで用いられているアスキーアートを模した電飾の演出を使う、「マイヤヒー」のプレビューなどを見ることができる日本版「O-ZONE OFFICIAL WEB SITE」において、主に2ちゃんねるで用いられていると思われるジャーゴンを数多く用いるなどの行動を取っており、ネット上での「マイヤヒー」ネタの盛り上がりが2ちゃんねるを中心としたものであった事、ひいてはそれに便乗する形で発表された当該Flash作品が2ちゃんねると深い関係がある事も初めから承知の上であったと推察されます。


状況証拠からの推測ではありますが、avex社が「のまネコ」の元ネタが、現在主に2ちゃんねるで用いられているアスキーアートキャラクターであること、それが2ちゃんねるのようなネット上のコミュニティで用いられる中でオープンソース的にどの権利主体にも依存せず*2用いられているという事実を承知の上で今回の商品化に踏み切ったのだとすれば、著作権や外観類似があーだこーだという議論以前に、一企業としての常識的な倫理として、商品化の前に、2005年現在当該アスキーアートキャラクターが主に用いられている2ちゃんねるというコミュニティの代表者である西村博之氏に対して何らかのアクションを起こすのが普通であって、それすらなしに独善的な自利益追求の態度を取れば、特に2ちゃんねるコミュニティのユーザーからは反感を買うのが当然でしょう。avex社は「恋のマイアヒ」及び「のまネコ」がネットユーザー以外の層にも人気を博していると見たうえで今回の「のまネコ」商品化に踏み切ったのでしょうから、今回騒いでいる一部の2ちゃんねらーぐらいは最初から願客として切り捨てるつもりだったのかも知れませんが、せめてavex社に対するそうしたネットユーザー達の反撥が拡大しないよう何らかの配慮を行うぐらいの事は、自企業の名誉を保つという意味でも必要だったのではないかと思います。


主に2ちゃんねるで現在用いられているアスキーアートの多くが2ちゃんねる以前に存在したネットコミュニティ(あやしいわーるどやあめぞうなど)の住人が創作したものの剽窃であること*3を考えれば、2ちゃんねるの管理者である西村氏が対価を受け取るのはおかしいという議論もありましょうが、当該アスキーアートキャラクターが(各コミュニティの運営者とは無関係な)匿名の不特定多数のユーザーによって作られ、発展的に継承されていったという経緯と、それら不特定多数のユーザーに対して直接的に(今回の商用化によって発生した)利益を還元するのは実質的に不可能であると言う事を踏まえれば、個別的な(アスキーアートを扱う)ユーザーではなく、総体的なコミュニティとして今回のインターネット上での「マイヤヒー」ブームを支えた「2ちゃんねる」に利益を還元させるのが最も自然と考えられますし、そうであれば2ちゃんねるの管理者である西村氏にその対価を与えるのが常道でしょう。

「商品化すること」自体が批判対象であるとの意見について

上の小見出しでは、「のまネコ」がどう見てもavex社が用意したオリジナルキャラクターとは呼び難い事と、それによってavex社が元ネタのアスキーアートの発表されていた場所*4である2ちゃんねるに然るべき対価を与えるべきである事を論じましたが、まとめサイトの意見などを読んでいると、そもそも2ちゃんねるに限らず、ネット上のコミュニティなどでオープンソース的に用いられているキャラクターを(改変を加える加えないに関わらず)企業などがその諸権利を有する商品として販売することが問題なのであり、それはそのキャラクターを使用することについて然るべき対価を与えることなどでは解決されず、その商品化の一切を絶つことによってしか解決しないという意見も散見されます。これはそもそものキャラクターの(オープンソース的な)活用が、個別的な私人や私企業によってそのキャラクターに関する権利を独占されないことによって成立していること、そのことに適切な配慮をしなかったが故に、今年4月の電撃帝王によるOS商業コミック化問題などの事例が起きていること追記:ご指摘を受けて一部を修正しました。詳しくは追記エントリーを参照)を踏まえれば、ネット上のキャラクターの二次使用に関する一般論としては説得力があると思います。


しかしながら、もしも今回取り沙汰されている「モナー」のような、インターネット上で主に使用されているアスキーアートキャラクターが商用利用されることそのものを拒むのであれば、「マイヤヒー」というFlash作品がavex社に公式に「恋のマイアヒ」のMTVとして採用された時点で、アスキーアートキャラクターをそのような「商用利用された」作品のうちに取りこんでいることに対する強烈な批判を提示していなくてはおかしいのではないでしょうか。そもそも、先に挙げたような当該Flash作品の一般層への普及が成功した時点で、今回のような商業グッズ販売などの流れが巻き起こる事は十分に予測できたはずで、当該Flash作品がミュージックステーションで流されていた当時は「ついに2ちゃんねるがお茶の間に進出だ!」などと言いつつ手を叩いて喜んでいたくせに、いざマルチメディア的に展開するという段になって「アスキーアートの商用利用は許さん」などと言い出したのでは、拙劣なダブルスタンダードの謗りを免れないでしょう。
仮にそうでなくとも、実際にグッズが公式サイトで販売を開始しているという段になって、今後のグッズの販売やマルチメディア展開の全てを封殺するのは現実的に不可能ですし(もしここで販売中止などの措置を取れば、販売準備費も併せたavex社にとっての莫大な損失が生まれてしまうでしょうから)、明らかにパチモンであるとはいえ、あえて「のまネコ」という元ネタのアスキーアート作品とは無関係な名称を冠しているのですから、もはや(ネット上でオープンソース的に利用されている)アスキーアートキャラクターとは「別物」*5と考えた上で、然るべき対応の仕方を考えていく方が建設的でしょう。

著作権の観点から本問題を論じることの困難について

法律レベルの議論はしないと冒頭で触れた後ではありますが、本問題において「アスキーアートにも著作権が存在するのだからavex社の行為は違法だ」というような論じ方をする人が依然として多いようなので、法律の素人による主観的・倫理的な判断からではありますが、そのような「法律的判断」を本件について行うことが困難であることを少し論じてみたいと思います。


そもそも匿名の書き込みに著作権が存在するのかという議論については(2ちゃんねる管理人の西村氏は存在するとの見解を以前から示されているらしいですが)法律の素人の観点からは何とも言えないので言及致しませんが、存在するにしろしないにしろ、上に挙げたような「アスキーアートにも著作権が存在するのだから〜」というような論じ方をする人に共通しているのは、「アスキーアートは2ちゃんねるというコミュニティの著作物であり、従ってその著作権は2ちゃんねる(とそのコミュニティ参加者)に帰属する」という考え方であるように思います。
しかしながら、このような考え方はそもそものアスキーアートキャラクター(今回の場合はモナーやギコなどですが)の発祥に関する歴史的経緯から見れば誤りです。


ギコこと擬古猫があやしいわーるどの固定ハンドルである擬古猫氏が好んで用いていたアスキーアートであることは、要点整理にも一応「ギコはあやしいわーるどから出たものが初出である」という記述があるので詳述はしませんが、同じく「あめぞう発」とされているモナーにしろ、その名称の由来である「オマエモナー」はあやしいわーるどで96年頃から用いられていたジャーゴンの一つですし、またモナー誕生のスレッドと言われる2ちゃんねる厨房板の「てすと」スレッドに貼り付けられた最初期のモナーは、その表示のズレなどからあやしいわーるどやあめぞうなどで製作されたものがそのままコピペされたものであるという説が有力です*6。そしてもちろん、これらのアスキーアートは誕生の瞬間から無数のユーザーの手によって(ユーザー同士のコミュニケーションと密接に絡み合いながら)複雑な改変を経て現在に至っており、もはや「どこの誰がこれらのアスキーアートの生みの親である」というような議論は成立しないような状況になってしまっています。


そのような歴史的経緯があることを知りながら、2005年現在、主に2ちゃんねるでそれらのアスキーアートが使われているからという理由だけで「アスキーアートの著作権利は2ちゃんねるにあり」などという主張をしようものなら、説得力のない与太話と笑われても仕方がないでしょう。
最初に述べたように、筆者は著作権法の詳細な内容などをほとんど知らない素人ですけれども、素人目に見ても上記したような歴史的経緯が存在している以上、「アスキーアートの著作権」を(2ちゃんねる側の立場から)主張する事は無意味に近いように思います。重要なのは、前々項「「のまネコ」は果たしてオリジナルキャラクターと言えるのかについて」で述べたように、今回問題となっているキャラクターである「のまネコ」が、明らかに2ちゃんねるのコミュニティを参照した上で製作されていると言う事であり、コミュニティ内でオープンソース的に(誰の「著作物」でもない状態で)使用されていたキャラクターを無断で二次利用したということのインモラルさを追求した方が、(2ちゃんねるの方々からすれば)物事を有利に進めやすいのではないかと思います。

誰に対してどのような批判を加えるべきかについて

上記したような議論を踏まえれば、批判を加えるべきはあくまでも(アスキーアートを二次利用することの決定を下したのだろう)avex社とその傘下にある「のまネコ製作委員会」であるという結論になるのではないかと思えるのですが、何故か2ちゃんねる内ではFlash作品「マイヤヒー」の作者である「電影駄目虫超」のわた氏に対する非難が集中的に巻き起こっており、そのとばっちりを食らう形でわた氏の参加する今月23日開催のウェブアニメーションイベント「flash★bomb'05 THE THIRD IMPACT」にも一部で批判が起きているようです(先のまとめサイトの関連サイト一覧にも名称があります)。


以下は筆者である僕がネット上で発表されているアニメーションに関することがらをマニア的に書き綴るブログ(ここですが)を運営している人間であることを前提とした上で読んでいただきたいのですけれども、上で散々書いたように、今回のグッズ販売や「恋のマイアヒ」の宣伝戦略はあくまでもavex社が主導して動いているものだと見るべきで、そのことをしてFlash作品を提供したわた氏や氏の関係者に対する批判を巻き起こすのは的を外しているだけではなく、結果的に問題の解決を遅延する役割しか果たさないと思います。
初項などで述べたようにavex社の企業倫理の問題として考えられるべき当問題を、元々はたかがネット上で発表されたFlash作品に過ぎない当該作品の成否の議論に摩り替えるのも問題ですし、現在はavex社と商業契約を結んでしまっている以上、口が裂けても「私の製作したFlashのキャラクターは2ちゃんねるからのイタダキです」などとは言えない立場にあるだろうわた氏が、日記でFlashのキャラクターが(モナーやギコなどの)アスキーアートキャラクターでない事を暗示するような事を述べた程度のことで、元々2ちゃんねると無関係な天下の大企業avexとたかが2ちゃんねらーのいち私人を同一の立場と見なして攻撃するのも問題です。少なくとも現在ネット上に開示されている情報では、氏が元avex社員でも何でも無いただの一般人であることが明らかなのですから、そのような人物に対して批判を加えることで何故(avex社が巻き起こしている)当該問題に対する解決の糸口がつかめると考えられるのかも僕には理解できません。
何より、今後avex社とのコミュニケーションによって本件を真面目に解決しようという意思があるのならば、関係人物あるいは関係企業に対する批判にはくれぐれも慎重にならねばならないはずで、それら人物らあるいは企業らに対する無軌道な罵倒攻撃は、結局自身の立場を窮地に追い込む以外には何の役にも立たないと思います(もしもavex社と2ちゃんねる運営者が争うなどの事態になった時に、avex社側から「無意味な誹謗中傷を繰り返す荒らしの2チャンコロが我々のモラルを問える立場にあるのか」などと言われたら言い返す術がありません。また、2ちゃんねる上の匿名書き込みによる誹謗中傷があまりにひどい場合は、過去の幾つかの訴訟と同様、逆に2ちゃんねるの運営者側がavex社に名誉毀損で訴えられるという馬鹿話に発展する可能性も無いとは言えません)。


と言いますか、わた氏にしろflashbombにしろ、もともと2ちゃんねると密接な関わりがある人物及びイベントであり、コミュニティとしての2ちゃんねるに参加している2ちゃんねらーの方々の立場からすれば「仲間」と言っても良いような気がするのですが……。そうした(本来戦うべきでもない)相手との争いに拘泥して本当に戦うべき相手を忘却してしまうようであれば、まさに相手の「思う壷*7」と言えなくもないかも知れません。

暫定的結論

以上、大変長くなりましたが、本稿「「のまネコ」問題についての私的見解と既出意見へのリジョインダー」の各小見出しで論じた結論を数行で纏めたいと思います。

  • avex社は企業としてのモラルを守り、「のまネコ」の元ネタであるアスキーアートを提供した*8ネットコミュニティの代表者としての西村博之氏に相当な対価を与えるべきである
  • アスキーアートの商業利用そのものを許さないという意見は、Flash作品「マイヤヒー」が「恋のマイアヒ」の公式MTVとして採用された時点で出ていなければおかしいものであり、今になってそれを言い出すのはダブルスタンダードである可能性がある
  • 「モナー」「ギコ」などの「のまネコ」の元ネタになったと思われるアスキーアートキャラクターが「2ちゃんねる」の独自の著作物ではない以上、「著作権的にどうだ」という議論は空論に終わる可能性が高い
  • わた氏やわた氏の関係者に対する批判は現状無意味である。また、的外れな誹謗中傷は誰に対しても行われるべきではない

続編エントリー

寄せられたご意見への返答などを本エントリーの続きとなる「「のまネコ」話つづき」に書きました。合わせてご参照ください。

*1:後述するように「モナー」や「ギコ」などのアスキーアートキャラクターのそもそもの出自は2ちゃんねるではありませんが、ここではavex社がそれらのキャラクターを二次利用する際に「2ちゃんねる」を参照したと推察されることからこうした書き方をしています

*2:「2ちゃんねるのようなネット上のコミュニティ」それ自体が権利主体であるという考え方を取れば、「2ちゃんねるのようなネット上のコミュニティ」という権利主体に依存しているという言い方もできるかも知れませんが、少なくとも私人や私企業の権利下にはないという意味で

*3:これについては次々小見出し「著作権の観点から本問題を論じることの困難について」で詳述します

*4:当該アスキーアートのそもそもの起源であるという意味ではない

*5:「のまネコ」が従来のアスキーアートとそのキャラクターデザインにおいて無関係という意味ではありません念のため

*6:さらに詳しくは翔泳社「教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書」の272ページから273ページにかけての記述をご参照ください

*7:皮肉に聞こえると今気付いた!!!11ぬぬ

*8:しつこいですが当該アスキーアートのそもそもの起源であるという意味ではありません

今日のFlash・拡大版(「ThankU」「ねこと60年目の8月9日」「日露戦争」)

8月下旬に発表された作品を取り上げます。

ThankU

2ちゃんねるFlash・動画板のFlashイベント「Parafla!感謝祭」で発表された作品です。製作にFlash用ツールとしては唯一のフリーソフトとして有名な「Parafla!」を用いられています。


元々古着などのファッションの話題を扱うサイトを運営されているというだけはある、作者氏の卓抜なデザインセンスが目を引くポップアート的作品です。お互い主張しつつも決して画面の調和を崩すことのない洗練された色使いの見事さもさることながら、顔部分だけを空白の「ヌキ」にして描く独特の演出や、平面のパーツを組み合わせて擬似的な立体を作り出すトリック的な画法により、観客の視点を常に安定させずおくことによって、奇想天外な画面展開に対する興味を失わせる事なくラストシーンまで引っ張っていく手腕は出色です。


また、ストーリーの開始当初は地味な服装だった主人公が、男性との恋に落ちることによって派手な服装にチェンジしていき、最後の「別れ」の段になって再び地味な服装に戻るなど、ファッションによって登場人物の心情表現を行っているのも見逃せません。「黒ネズミの人形」や「オレンジフレームのメガネ」のような作中に散りばめられたアイテムの印象深さといい、東京という街の空気を柔軟かつカジュアルに吸収していったことが伝わる気取らない作風の「スマートさ」は、作者氏の確固たる個性であると同時に、普段アニメーション作品に触れない一般層や女性の共感をも呼ぶであろうものになっていると思います。


Parafla!はフリーソフトということで、アニメーションオーソリングツールとしての多機能さでは本家FlashMXにまだ及んでいない部分も多いと思うのですが、本作「ThankU」は(おそらく元々は技術的な限界としてあっただろう)作成画像の「チープさ」を逆手にとって、ベタを中心としたフラットな塗りを全編に施すことで、TVアニメ的な「動く絵」とは趣の違うデザイン的な美しさを表現しており、良心的な「おまけ」も含めてParaflaというソフトに対する作者氏の深い理解と愛情が伝わるものになっています。

ねこと60年目の8月9日

長崎市への原爆投下に題材を取ったフルボイスドラマアニメーションです。


二次大戦にまつわるエピソードの中でも特にデリケートなものと言われる「ヒロシマナガサキ」をテーマに冠した作品には、題材への直接的な対峙を良しとするあまり(あるいはその逆のあまり)、極度に正義的になったり、また露悪的になったりしやすい傾向があると思うのですけども、本作「ねこと60年目の8月9日」は平和となった長崎の街に対する老人の語りという物語形態によって、無意味な残酷描写や説教臭いアプローチを回避し、当時の悲惨さと現在の平和の尊さとに静かに思いを馳せることの出来る作品になっています。甲高い声の「ねこ」のキャラクターには少々のウザったさも感じますが(笑)、ある意味語り部としては凡庸である「老人」と、その奇抜さによって好対照を為しているとも言えるでしょう。


作者である「コギト・エルゴ・スムン」のフジツカ氏は元々同人系の作品で有名な方で、その作風からか、以前作品を出品された「CG-Online大賞」では東浩紀氏の賞賛を受けているのですが、普段の作風とはややかけ離れたものに見える本作においても、ストーリーに飲み込まれる事なく自己主張するキャラ立ちの良さ、長きに渡る経験から洗練された画力は健在であり、また本作における、重要な核心的箇所をあえて「描かない」ことでテーマを逆説的に浮かび上がらせるかのごとき表現は、野暮な説明無しでも絵で全てを描ききれるという強い自信が無ければ実現不可能であったでしょうし、またそれの裏付けとして普段の氏の別方面での精力的な活動があると考えるのは自然なことでしょう。
今後とも豊富な経験に支えられた懐の深い作品を見ていきたいなあと思わせる良品でした。

日露戦争

上映時間20分を超える歴史大作Flashアニメーションです。


ウェブで発表されているこのような「歴史もの」のFlash作品は実は数多く存在するのですけれども(例:(・∀・)イイ・アクセス: 検索結果「歴史」)、その多くは過去の同ジャンルのFlash作品から受け継いだテンプレート的手法、つまり「写真による登場人物紹介+地図による状況説明+テキストによる語り」というような固定的な形式*1から逃れきれておらず、今日に至るまで斬新な表現によるものはあまり多くないのですけれども、本作「日露戦争」はそうした過去の作品群の手法を踏まえた上で、それをさらにバージョンアップさせたかのような技芸を発揮しています。
まず目に付くのはテキスト量の多さで、特に日露戦争における陸戦を描いたシーンなどは画面の細部に至るまで追いきれないほど膨大な文字が詰め込まれており、当時の戦況などを事細かに解説するものになっています。かといって説明過剰な無味乾燥には寄らず、シンプルな矢印のモーションを利用した戦況の「実況中継」はディティールの詳細さも相俟って、映像的なアプローチは殆ど見られないにも関わらず、往時の狂騒をそのまま再現したかのような迫真性を備えており、長丁場でも全く観客を飽きさせません。


把握しきれないほどの説明の多さと、感覚に訴えるダイナミックな演出、これら二つは一見表現として矛盾しているように見えますけれども、歴史ものとしての作品の「リアリティ」の担保として働いているのだと考えれば納得がいきます。つまり、確かな取材に基づく(特に政治的なバイアスの少ない)「現実的な」状況を(資料に基づく解説によって)表現しつつ、説明の嵐に観客を退屈させないよう本筋の演出は「空想的な」までに動的な迫力を持って描かれているのであり、これは喩えるなら細部のセットや装備や舞台設定にトコトン拘ったハリウッド製戦争映画のようなもので、その「リアリズム」がエンタテインメント作品として見た場合に面白くないわけはないという事です。


作品本編に負けず劣らずのド長文の「作者解説」と「あとがき」も、本編と違ってエンタテインメント性は皆無ですけれども、作者氏の溢れんばかりの熱意を見てとれるものに仕上がっています。作者氏の采配次第では、観客側の歴史認識に対していくらでも印象操作が可能であろう高い演出力を持ちながら、安易なプロパガンダに流されない冷徹な知性と情熱を併せ持った端厳たる傑作です。

*1:例:古典として有名なFlash作品「日本とトルコ」(2002年7月1日発表

インディーズアニメ関連ニュース

Flash感想を書くまとまった時間が取れないので、IAAからインディーズアニメ関連ニュースをピックアップしてお茶を濁すことにします。

海外のFlash事情が分かるサイト「Cold, Hard Flash」(情報元:GilCrowsのFLA板観測所

Cold, Hard Flash」はワーナーブラザーズの現役プロデューサー(!)Aaron Simpson氏による海外のFlash事情を幅広く取り上げ論じるブロッグです。最近のエントリーでは「Angry Alien Productions」のJennifer Shiman氏(ハリウッド映画のパロディFlashで商業的成功を収めたFlashアニメーター)のロングインタビューなども掲載しており、インディーズアニメーションの今後を考えるうえで重要な資料と言えるのではないでしょうか。
全編英語ですが、平易な文体で書いてあるのか、翻訳エンジンに入れれば文章の大意は掴めます。なお、このサイトを日本で最初に取り上げた(たぶん)GilCrowsさんはSimpson氏によってインターナショナルなサイトと認定されたようです(笑)。


東京国際アニメフェア2006」本格始動

東京都とアニメ関連企業・団体とが実行委員会を組織し2002年から開催しているフェスティバル「東京国際アニメフェア」の2006年度に出品する作品の募集などが公式サイトで行われています。
関連して、9月8日の19時および9月9日の19時から東京MXテレビにて、2005年度東京国際アニメフェアの公募受賞作品が放送されるようです。(情報元:弥栄堂


アニメflashコンテスト『ポップアップ☆アワード』開催(情報元:Gスタの更新しない日記

auによる携帯電話専用Flashアニメーションの配信サイト「ちゃくフラ☆」が主催するFlashアニメコンテストが開催されています。募集期間は2005年9月1日(木)〜10月12日(水)、審査発表は10月下旬とのこと。
G-STYLEさんは審査員を務められるのだとか。

審査委員     『ちゃくフラ☆』先生方
募集内容     Flashアニメーション(フルカラー)
ジャンル      ストーリー作品
募集期間     2005年9月1日(木) 〜 10月12日(水) 
審査発表     10月下旬 
入賞賞品     『ちゃくフラ☆』有償コンテンツ配信権 ・ 金一封
コンセプト     携帯配信を想定した厳しい制約下、洗練された楽しい作品
制作規格     SWFファイル【240×320pix / 80kb以下】再生時間1分内
           こちらのメールに応募作品を添付しお送り下さい。
応募方法      件名を[応募作品]と明記し、内容欄には
            製作者の氏名・年齢・連絡先を忘れずに書いて下さい。
問い合せ     『ポップアップアワード』コンテスト事務局まで

第2回 Swift 3D V4.5 & Flash 3D ベクレンセミナー(情報元:Digital DNA

Swift 3Dの販売元である株式会社ディ・ストームが、Swift 3Dシリーズの新製品、Swift 3D V4.5のセミナーおよび、ハイエンド3DCGツールを用いてFlash コンテンツを制作する「Flash 3Dセミナー」を開催するのだそうです。

先日7月22日に大変好評でした、「Swift 3D V4.5 & Flash 3D ベクレンセミナー」を皆様のご希望にお応えしまして第2回を開催いたします。いまやFlashで3Dといえば、Swift 3Dというほど、スタンダードなツールになった、Swift 3Dシリーズの新製品、Swift 3D V4.5のセミナーおよび、ハイエンド3DCGツールを用いてFlash コンテンツを制作する「Flash 3Dセミナー」を開催いたします。


Flash 3Dセミナー」のパートでは、メーカ間の枠を超えてFlash での3Dコンテンツの作成という事をキーワードに、LightWave 3D、3ds max、maya、各3DCGプラットフォームのユーザー様によるFlash 3Dコンテンツの制作方法を実際の事例とともにご紹介させていただきます。


Flash 3Dコンテンツの制作にご興味のある皆様ぜひご来場ください。
また、入退出自由のセミナーになっておりますので、ご興味のあるセミナーだけご来場いただくことも可能です。


■イベント概要

Swift 3D V4.5 発表会 & Flash 3D セミナー
開催日:2005年9月16日
開催時:14:00(13:30開場) 〜18:00(予定)
受講料:無料(参加には事前登録が必要です。ご登録はこちらから
開催地: マクロメディア株式会社 会議室 地図はこちら

御協力各社様
マクロメディア株式会社 / 日本Shuttle株式会社 / オートデスク メディア&エンターテインメント / 株式会社 エヌジーシー