週刊少年ジャンプ2005年度14号感想(ネタバレ注意!)

デスノートがないとやっぱり寂しい感じがしますね。というわけで↑にデスノートの第二部予想を書いてみました。興味のある方は読んでみてください。

衝撃的なブラボーの死から一週明けて復讐の鬼と化しているカズキ。さりげなく「ブラ公の仇じゃおっ死ねクソが!」(意訳)などと哀川翔もまっ青の啖呵を切っているのですが、これ、今後の展開への伏線なんじゃないだろうか。ブラボーとの対峙の時すらカズキには一切の心理描写が無くておかしいなーと思っていたのですが、肉体的にも精神的にも恐ろしく歪な変質が起こっているような気がする。まあ外れたら恥ずかしいので詳細な予想はしませんが、とてつもなく嫌な感じがするのは事実なので一応書いておきます。
途中のシルバースキンの大活躍から薄々気付いてはいましたが、大戦士長、坂口昭星の活躍でギリギリ生存していたブラボー。いい年こいて男にお姫さまダッコされてるのが哀愁を誘います。またぞろご都合展開じゃねーかという批判が飛んできそうですがどうも今後の展開次第ではブラボー味方化にもかなりの意義が出てきそうなのと、先週の回想シーンの冒頭で昭星の後姿がさりげなく示されていた(気付かなかった人多いのでは?)等の伏線も張られていたので展開自体はそれほど問題視すべき性質のものではないと思います。でも昭星のキャラは渋いジジイを予想していただけにちょっと期待ハズレな感じ。大戦士長って役職はガモウひろし的な馬鹿っぽさが漂っていて大変好みだが(ラッキーマンに確か大宇宙神って人いたよね?)。
そしてラスト2ページ、突然のヴィクター捕獲の報と大ゴマででっかく「決戦」の二字。おおおおおおいろんな意味で今後の予断を許さない超スリリングな展開だー!ニュートンアップル何とかとか今まで張ってきた伏線を全て無視するが如き暴走ぶりもトレビア〜ンッ。いやー本当今時の少年漫画には珍しい右脳で読むタイプの漫画ですねこれは。まあ真面目な話、和月先生がこうも中途半端なところでストーリーを中断するのは本当に打ち切りでない限りありえないと思うので何らかのサプライズがあるのでしょうが。次週は休載、2ちゃんねる武装錬金ついに終了という関係者情報がリークされない事を祈って座して待つことに致します。

「謀反者め!」という怒声に混じって聞こえる「魚人め!」の声。ああ、そうだ、どんなに人格者で世界一の造船技師だと言っても、トムは魚人だったのだ。今までも(ココロ婆さんが造形的に全く人間に見えないのを除いて)ウォーターセブンの町にトム以外の魚人の住人は一人も描写されていなかった。仮に住んでいたとしても表には出て来ない、人の目につかない場所に隠遁しているのだろう。
「確かな造船の腕を持っているにもかかわらず、海賊王の船を作った事で町を追われた」という設定からしておかしいと思ってはいたのだ。もしトムが普通の人間で、ウォーターセブンを支えてきた職人の一人であったのなら、住人達はむしろトムを庇って政府に楯突いていたのではないか?トムがスパンダムを殴った時の住民達のビビリっぷりは尋常ではない。並の作家なら「これは集団ヒステリーに感染した人間達の愚かさをアレゴリカルに描いたもので・・」などと小賢しいアイロニーに逃げるのだろうが、常にストレート豪速球が信条の尾田氏のことだ、これこそがこの時のこの町の空気だったと言いたいのだろう。並大抵ではない努力を積んでも決して超えられない一線がある、その哀しさ。
ラスト、命をかけて海列車を止めようとするフランキー。フランキーがその身をサイボーグ化した理由、ペットの蛙が海列車を今なお止めようとしている理由がこれで判明した。人によって殺された人でないもののために戦う人でなしの集団。だが、41ページの3コマ目、フランキーを殺して心底嬉しそうなスパンダムを見ていると本当の「人でなし」はどっちなのかという問いを突きつけられているような気がして慄然とする。

  • ユート

今までの話ではほった氏独特の超スローな説明描写にイマイチ馴染めなかったのだが、淡々とした中にカンフル剤として試合の描写が挿入されるとベタとは思っても燃えるなあ。特にラストの2ページ、あえて高月の様子を一切描写せずにユートの横顔と解説のカットバックで危機感を煽る演出にドキドキした。スピードスケートって前を走っている立場からすると後ろに誰が来ているのか全く解らない上に、抜かされるときはマラソンのように徐々にではなく一気にやられてしまうから緊迫感がありますね。

なんか、今までの3話合わせて長ーい読みきりが一本終わったという感じだ。ここからどう話を展開させるかが今後のターニングポイントになるのだろうけど、そういう作業は普通センターカラーを貰える今週にやるべきじゃないだろうか。話の進め方がいかにも連載に不慣れな新人作家という感じがして、やはりここでの連載昇格は時期尚早だったんじゃないかという気がしてならない。メジャー誌でやっていけるだけの才覚はある人だと思うんだけどなー。

ネウロもそうだけどなんか適当な略称無いんですかねコレ。はてなダイアリーで取り上げるには不向きな長さ(笑)。
初期から繰り返されてきた凡人天才論争には「実は二人とも凡人でロージーが真の天才でした!」という実に正しく少年漫画的な結論(?)で決着が付きそうな予感。ムヒョのピンチに颯爽と駆けつける様が普通にカッコ良かったです>ロージー。これで脇役じゃなくてヒロイン(ムヒョの活躍を待ってばっかりだから)だなどと陰口を叩かれることもなくなりそう(笑)。しかし天才か凡人かなんて自分で決めていいことじゃ無いと思うんだがな。それが成立するならこの世は自称天才だらけに・・既になってるような気がしないでもないな。