ドキドキまあちゃんゲーム(カテゴリはアレですが、エントリーは割と真面目です)

警視庁が作った子供向けの犯罪防止ゲーム。
・・・・なんだけど、なんつーか、内容が変だ。


絵柄が露骨にアレなのはまあ、今時の子供は絵が綺麗じゃないとジャンプ漫画すら読まないからいいとして、最初は「寄り道しないで帰りなさい」「知らない人の車には乗っちゃいけません」等の、当り障りのない道徳の授業的な展開が続くのだけど(多分この事件を受けて製作されたコンテンツなのだろう)、読み勧めるにつれて段々設問がエスカレートしていき、絵もそれにつられて徐々に過激になっていく。


例えば、イケメンのお兄さんが猫を探してくれと頼んできたらどうしますか、という設問がある。当然ながら「付き合わない」が正解なのだが、不正解を選ぶと出てくる画像がこれ

猫が迷い込みそうな草むらや植え込みの影などにおびき寄せられ、体を触られたりすることもあります(強調引用者)

いーのか、コレ?いや、変質者に対抗するにはこれぐらい教えとくのが当然かもしれんけど、内容以前に絵がヤバい。書いてるほうはデフォルメしてるつもりなんだろうけど、絵柄自体が萌え系だから余計に生々しい。しかもこの画像、正解しても出て来るんだよ。気になってリターンボタン押してしまわないか?


次の設問は、カメラマン風のお姉さんが「モデルになって頂戴」と話かけてきたらどう対応するかというもの。まあ現実にはまず在り得ないシチュエーションなんだろうが、「女の人だから安心してついていく」を選ぶと出てくるのがコレ

最近は小学生でも雑誌のモデルなどに興味を示す子もいますが、どんな写真のモデルなのかわかりません。もしかしたら下着姿かも!?(強調引用者)

危険すぎます。犯罪の実態を赤裸々に伝えたいのは解りますが、これ小学校低学年の女の子向けのコンテンツだよねえ?オタクのズリネタなら話も分かるが、いくら何でも無意味に表現を過激にしすぎだ。悪ノリしてるとしか思えん。

この後も、財布を拾ったとき落し物の持ち主に電話をかけたら怪しい奴が出て来るとか、画面左から何故か麻薬中毒が顔を出してるとか、枚挙に暇がない。小さな子供が対象ならば表現が過激だし、もう少し上の学年を対象にするならこんな紙芝居じゃなくてもっと現実に即した硬派な教材にすべきだ。両方に媚びを売って自爆してるというか何というか。


・・・・でも、上記したような陰惨な事件が実際に起こってしまう時勢であるから、警察がこれぐらいやらなきゃどうにもならないのかもしれないな。最近、子供に要求される能力がどんどん大人に近づいていて、性や犯罪に関する知識さえ大人以上のものを持っている子供が沢山いるけど、それは結局社会の必然的な要求に基づいているんだろうな。「この街には小学生をレイプする犯罪者がいるかもしれません」と言って、「レイプ」の意味ごと小学生に教えなきゃいけない時代か。・・・・・絶句するな。


余談。町山さんのところで紹介されていたこの映画、とても面白そうなのだけど、こういうものが歓迎される時代っていうのはどうなんだろうと、やっぱり考えてしまうのだよな。希望はないのか?

関連:これでいいのか?性教育
必要悪、って言葉もあるけどね・・・。