人権擁護法案について少し追記・その3

内容を受けて若隠居さんがブチ切れてるけど、うーん、コレは駄目でしょう。アジテーションの度が過ぎて、変な陰謀論の領域に突入してしまってるような。


何というか、僕みたいなこうした大規模なムーブメントに乗り込む事を拒否する「ヒネクレ者」が発生する過程では、運動の中核にある多数派があらぬ方向に熱くなりすぎているというか、自らと思いを同じくするものだけで閉じたコミュニティを作ろうとしてしまうような現象が起こりやすいと思うのだけど*1・・・

拉致議連救う会がこの法案に反対を表明している以上、
国会議員がこの法案に賛成を表明するということは、
拉致問題解決を望んでいないという意志表明に値します

この無茶苦茶な三段論法*2にはそういう状況が象徴的に現れてしまってるような気がするなあ。法案の反対派には拉致議連の味方をしたくない左派も多分に混じっているだろうに、かえって引かれる可能性があるとは思わなかったのかな。なーんか、去年マイケル・ムーアブッシュ政権をひっくり返そうとして見事玉砕した過程と似たようなものを感じるよ*3


勿論僕だってこの法案の成立には反対だし、反対運動が広がっていくこと事態に懸念を覚えているのではないのだけど、こういうことばっかりやってると、一般人の側から「ネットで言われているのは全て根拠の無いデマだ」などという反対運動そのものに対する本質的な誤解が生まれてしまいそうで、僕は怖いのですね。
本気で法案を廃案に追い込みたいのなら、ここらで一旦立ち止まって事実とそうでないものを選別・批判する視点の介在を許すのも、方法論としてまんざらではないような気がするよ。反対派と「反」反対派、お互い誤解しっぱなしではどうしようもないし。

*1:それをして自らの安っぽいヒネクレを肯定しているわけではありません。為念

*2:bewaadさんのところでも言われてるけど、本法案に政治的発言までも縛る力はありません

*3:個人的にはムーアの映画は好きなんですが、「華氏911」のキャンペーンの仕方はかえって彼と彼の映画への誤解を生んで失敗だったと思う