「金色のガッシュ!!」20巻(雷句誠)(ネタバレ注意!)

ついに20巻の大台に突入したサンデーの看板漫画。オビ曰く「累計2000万部突破!」ってことは一巻あたり単純計算で100万部売れてるってことか。サンデーとしては破格の大ヒットだな。


ティオvs変態エロ猿の死闘(文字通り死闘(笑))からファウード編の序章までを収録。流れとしてはゾフィス編直前と一緒なのだけど、味方から離反者を出したり(不可抗力だが)、ゼオンやバリーのような第三勢力の活躍を匂わせていたり、マンネリ化を避けて少しでも違うものを描こうとする姿勢は立派。ちゃんと日常組へのフォローも忘れていないあたり、雷句氏の真正面から少年向けファンタジーを描こうとする姿勢は「ONE PIECE」の尾田氏同様ホンモノだと思わせます。ゾフィス編では完全に除け者扱いだったスズメにちゃんとフォローを与えているあたりも(良かったな、スズメ・・・)。


中身としては巨大な魔物と判明したファウードの「大きさ」の描きかた(小さな魔物と対比させて大きさを強調する手法がスタンダードながら上手い)と「ナウシカ」×「ロード・オブ・ザ・リング」なキャラクター設定(「ニュージーランドに住む世界を破滅させる人造の魔物」ってのは巨神兵が元ネタでしょうか)、2ちゃんでは祭りになったらしいティオのパンツ騒動が白眉かな(笑)。あんなロリコンが喜びそうなネタをやっていても、オタクに媚びたイヤらしい感じがしないのは雷句氏の人徳かもしれない。


キャンチョメの言う「悪い予感」は次巻でちゃんとフォローされるのかな?いい加減「ピンチになったら新技覚えてパワーアップ→勝利!」の流れは食傷気味なので、ここらで新機軸を打ち出すようなネタが投入されればいいんだけど。


金色のガッシュ!! (20) (少年サンデーコミックス)

金色のガッシュ!! (20) (少年サンデーコミックス)