「FLASH EXPO'05」感想(オンライン公開作品限定)(ネタバレ注意!)

2月19日に大阪で行われたオフラインイベントの作品感想です。公式サイトに「4月7日よりオンラインで全作品を公開します」との告知があったので心待ちにしていたのですが、午後7時を過ぎても一向に公開される気配が無いので既にオンラインで発表済みの作品に限定した感想を書いてみたいと思います。
明日以降の公開があれば後追いで残りの作品の感想を書く予定です。
作品の公開順については(・∀・)イイ・アクセスさんの【EVENT】 アーカイブをご覧下さい。

追記:5月10日に「フラハクおんらいん」が開催され、未公開作品の一部がオンラインで公開されました。感想はこちらをどうぞ。


【第一部】

二次元のアニメーションでありながら三次元性を強く感じさせるカメラワークと演出が相変わらず絶品でした。


この手のアクションアニメ(映画でもそうですが)で一番困難なのは画面の重力感、人物や物体の「重さ」を感じさせる表現なのですが、この「ゆきの」はそういった重力への執着をあえて拒絶し、SFノワール風の冒頭から、特撮映画的なノリのスピード感、ドライヴ感にのみ焦点を絞った描き方をしていて、逆説的に「ファンタジーアニメ」として完成度の高いものに仕上がっていると感じました。
日本の「ガンダム」や「エヴァンゲリオン」などよりは、「スターウォーズ」や「マトリックス」との類似を指摘したほうが適切そうな、西洋風のアニメーションで、かつ海外でも通用するクォリティがあると思います。

ルパン3世」オープニングのパロディ作品です。


8等身&1さんを題にしたAAネタは、もはや図式化・定型化された感のあるベタネタですが、このFlashでは作者氏自身がもっとも得意とする分野であることもあり、作品の安心感・安定感を増幅させる方向に上手く働いている感じがしました。
安定感と言えば、基本的な作画力の高さは言うまでも無いですが、原作に従ったのでしょうか、過去の「1000 GET」にあったような華やかな暖色系の色彩は今作では姿を見せず、グレーを基調にシアンとブラウンを微妙に織り交ぜたような、寒色系・抑え目の色彩をとっているのが、全体の渋くクールな印象を形成するのに一役買っており、基本がドタバタ劇ながら浮ついた感じが全くしない所も好感触です。ポイントとして、主役級の二名――ルパンと不二子――にのみ、暖色系のクリムゾンやイエローが使われているのも、周囲からあえて浮き立たせる事を意図した演出ならば成功していると思いました。


ただ、最後にルパンコスプレの女の子(?)が出てくるのがよく分かりませんでした。萌え方面へのサービスでしょうか?(←違うと思う)

マイヤヒー」基本がナンセンス系Flashなので(感想で)何を言ってもネタに還元されてしまいそうな嫌いはあるのですが、テーマ曲を酒の席に比喩することで、全体の「デタラメさ」「いい加減さ」(注:批判ではありません(笑))を上手くギャグに消化/昇華しているな、と思いました。思わず踊りだしそうな軽快さの表現としては成功ではないでしょうか。

次々とこしあん堂おなじみのキャラクターが登場しますが、順番が女の子×動物(天使含む)の組み合わせが中心人物たる主人公の少女含め5パターン登場し、その後少女がつれている犬とほぼ同サイズのチビキャラが全面に配置され、更にその後のシーンで後方から巨大ロボ含む大小さまざまなキャラクターが続々と現れる・・・というシーン構成が、観客にそれぞれのキャラクターの特徴を際立たせて理解させる役割を担っており巧みだと思いました。意識的にやった事かも知れませんが、大ベテランである作者氏の長年の「カン」が作品作りにそのまま影響しているのだと思います。


ただ、初めから「没ネタと使いまわしの寄せ集め」と居直っているとはいえ、草原を模した青と緑に二分化した背景の色設定は安易な感があり残念でした(演劇のステージを模擬するなら、いっそ全て劇場内の(架空の)出来事という事にしたほうが手間も掛からず面白かったと思うのですが・・・)。




【第二部】

70年代風のサイケなオープニングからニヤニヤさせてくれます。意図的な「古くささ」は狙い過ぎるとかえって寒々しくなるのですが、この作品は元々の作画力の高さもあり、今風の表現と古風な表現がバランスよく配置されてお互いを高めあう相乗効果の美しさがありました。


それは内容に関しても同様で、基本はナンセンスなご近所ものながら、アニメ風にデフォルメされた表現とネタ自体のリアルさ・生々しさが絶妙な具合に調理されていて、何とも言えぬシュールな画面を作っていました。個人的にはリアクションと表情のある脇役勢よりも、終始無表情な団地妻の方に笑いと恐怖を感じました(笑)。

サザエさん」や「ジョジョの奇妙な冒険」のパロディ作品はイラスト・Flash含め数多く、また両者をコラボレートした作品も一部で見られるのですが、ここまで本格的な融合を図った作品は初めてではないでしょうか。朝目新聞にそのまま投稿できそうなネタながら、あえてFlashによる表現を選択することで、まるで実在する漫画の紹介ムービーのような体裁になっているのが面白いです。メタ言及の仕方としてはなかなか高度な部類だと思います(・・・って、このようなネタFlashにそんな真面目ぶった事を言ってもナンセンスですが(笑))。内容を読ませようとするとPVならではのスピード感が殺される危険もある、難しい題材だったと思うのですが、そこは傑作「num1000gdr」の作者である哭蔵氏だけあって、程よいポップさで画面を纏めていました。


哭蔵氏のサイトにある密室氏による原画を鑑賞後に参照すれば、より違った楽しみ方も出来ると思います。

(7月17日のエントリーより転載)


作者2501氏の他の作品と同じく、一見停滞した挙動の中にも一定方向への指向性が感じられるシンボル操作が美しいです。12秒の地点までの劇的な演出で作り出したムーブメントを殺す事なく、リズミカルなステージングで映像を最後まで引っ張っていきます。


30秒という上映時間の短さもあって、発表当初はFlash製作者向けの技術解説の意味あいが強かったようですけれども(発表当時の題名は「低fpsのススメ」だそうです)、普通の環境映像としても十分機能できる完成度の高さは流石といったところでしょう。ウェブデザイン用のサイトスプラッシュとして用いても違和感のないノーブルな逸品です。

演出テンポをギターの演奏のタイミングに徹底的に合致させた事により、作品全体に踊るようなリズム感とメリハリ、歌舞伎のように小粋な雰囲気が生まれています。うねるような描線で描かれるストーリーには、全体として見ると不可解な点も多いながら、そんな些細な事を気にさせず観るものを引っ張って行くパワーを感じます。文字の挿入の方法も凝っていて、画面から浮いてしまわないように様々なレタリングが試みられており、作者氏の努力の跡を伺い知る事が出来ます。
様々な方面で評価を得ている方ながら、あえて今までとは違った作風を試みるチャレンジ精神に感銘を受けました。




【第三部・前半】

第3回紅白FLASH合戦で見事MVPを取った一大傑作「Nightmare City」を見た時から思っていたのですが、作者氏のFlashの魅力は従来のFlashアニメにあった(絵の)精密さや優雅さとは趣を意にする「下品」さ/「デタラメ」さだと感じていました。それは決して否定的な意味ではなく、「画面の美しさ」を「見せる」ことを重視する通常のFlashアニメとは違い、絵そのものの美しさよりも「動き」「勢い」「迫力」といった動的要素で「魅せる」、ハッタリの効いた「動画の美しさ」こそが作者氏の作品の最大の特徴だと思えたという意味です。


今回の作品も、アクション要素こそ殆ど無いネタ作品ながらも、自己の置かれたプレッシャーを自虐的に開陳して見せる冒頭から、観客への飽くなき「サービス精神」に溢れていて、「とにかく面白いものはなんでもぶち込む!」という、お行儀の良い「上品」さとは対極にある「下品」な美意識が画面に満ち満ちています。ネタの選択も映画からドラワサビ風のナンセンスまで、全く統一感のない「ごった煮」ぶりがかえって素敵です(笑)。

(4月21日のエントリーより転載)


静かなる破壊のある作品です。典型的なPV系Flashのフォーマットを持ちながら、写真や漫画、イラスト、果ては実写動画の唐突な挿入でもって自らの世界観を破壊し、見る者に途方も無い混乱と戸惑いを覚えさせます。
しかし、それが不快感を伴うようなものになっていないのは、「典型的」なデザインを選択したが故に生まれた画面の完成度の高さと、一見ふざけてはいても決して不真面目にはならない作者氏の確かな技術力のバックボーンによるものでしょう。
静かな音楽に身を任せ、混沌としたイメージの奔流に身を委ねる体験・・・・「人生は戦いだ」というフレーズが作中では連呼されていますが、作品性的には「破壊的」ではあっても「暴力的」ではない、クレバーでクールな作品と感じました。

総毛立つような居心地の悪さ。陰鬱な画面の作り方とシニカルな笑い、戦慄とナンセンスが「混じりあうことなく」同居しています。
誰にも感情移入することの出来ない構成と、突発的に繰り出される不条理な描写には、準主役のマスターよりも、見ているこっちが不安を掻き立てられるような構造になっています。底抜けに明るいはずの「クリスマス中止撤回」がああもおぞましく聞こえるのは、単にストーリーの力だけではないでしょう。作品としては勿論面白かったにもかかわらず、4分という上映時間が異常に長く感じられました。


ラストの偽善的な締め方も、まったく観客を置いてけぼりにしたイジワルさ加減で、思わず引きつるようなブラックな笑顔を浮かべてしまいます。最も邪悪な時のうすた京介に近いものを感じました。

古き良き時代のTVアニメの雰囲気があります。作者氏はガンダムファンらしいと聞きましたが、作画においても演出においても、ダークな題材を使っても不思議と温かみのある雰囲気と、やはり陰鬱に流れない軽快なオプティミズムは、後ろ向きな作品を作る作家が多い昨今では貴重なのではないでしょうか。メイドさん風の脇役に殆どいる意味が無いのは作劇上どうかと思いましたが(笑)、キャラクター造形一つ一つにも作者氏の愛が伝わってくるやさしい作品でした。


ところで、主人公ナイトメアナイトの切れ長の釣り目には、永井豪よりも、どことなく石川賢の諸作品が思い出されたのですが・・・あ、ドット絵コーナーゲッターロボがいる(笑)。

ファーストシーンから魅せてくれます。灰色と青に二元化され、前景化された都市と、それを侵食する「止め」と「動作」のメリハリが聞いた自由自在のムーブメント。「虹」をテーマに様々な配色を使っていますが、灰調の背景に溶け込ませるかたちで色同士の不協和を発生させない演出が見事です。サイケデリックな作風のためか、写真画像の挿入にもさほど違和感がありません。


上記のように、前半は非常に完成度が高く気に入ったのですが、その反動なのか、後半は前半部に比べ粗が目立ったような気がどうしてもしてしまいます。
このようなPV作品に、積極的にメッセージ性の高い「文字」を挿入することの是非はさておいても、挿入される位置が「中央」、おまけに配色が「黒」では、折角の背景の色彩の美しさが殺されてしまいます。
エンディング・タイトルの挿入もやや時期尚早だったような感じがしてしまいました(「これで終わりなのか」という残念感が出てしまう)。

恐るべき志の高さを感じます。チープなスパイアクションをメタ的視点からパロディし、しかも「本物」のアクション映画に限りなくクォリティを近づけるための全編フルボイスと5分を越える長尺を実現。物凄く下らないネタを全力投球で良作に仕立て上げてしまう、魂のこもったB級作品と言えるでしょう。最近ではこの手のキッチュな作品が一ジャンルとして市民権を得てしまったが為に、「とりあえずバカやっとけばいいだろう」という怠慢な思い込みに基づいた本当にどうしようもない作品も少なくないのですが、中身はB級でも志はA級であろうとする作者氏の姿勢に心打たれました。


演出やカメラワークは凝りに凝っていて文句のつけようがないのですが、アクションシーンではもう少しBGMに気を使ってもいいのではないかと思いました(全編ローテンションのダークな楽曲が使われていたので)。まあ不満点はそのぐらいです。

至芸!技術的に大変テクニカルながらそれに溺れず、その技術水準に匹敵するストーリーの妙でもって、上質のショートショートのような後味爽やかな青春物語を鮮やかに紡いで見せた作者氏のセンスに脱帽です。
心に残った音を再現する「心響屋」というアイディアの面白さも然ることながら、いくらでも陳腐な感傷に流れることのできそうなネタにもかかわらず、そうはせず、軽快なBGMに合わせて滑らかに進む物語は、観客を不快にしたり、ストレスを感じさせる要素が全くない軽妙洒脱なものです。テンポよく画面を切り替えるためにカットバックが多用されているのですが、カットバックの前に一瞬だけ画面を白にフェードアウトさせることによって、カットバックで生まれがちな緊張感を殺ぎ、牧歌的で暖かいムードを保ったままストーリーを進行させることに成功しています。上質の内容とそれに見合ったテクニックの出会いは傑作を作るための必須条件ですが、これほどの水準で、しかもこれ見よがしでなくさらりと実現してしまえる作者氏の品の良さには見ているこちらも思わずニヤリとさせられてしまいます。
澱みなく流れるポジティブでエモーショナルな描写を見ていると、まるでこのFlashこそが美しい「音楽」の具体化のようにも思えてきて、心が洗われる思いです。




【第三部・後半】

うーむ、何と言ったらいいやら・・・・。


こういう作品をこんな風に語っても無意味であるような気もするのですが、本作の「笑い」を構造的に分解してみると、次のようになると思います↓


・劇中で繰り広げられる「アメリカンホームコメディ」(メタ化される原型なので死ぬほど面白くない)
・↑をメタ化するマッチョな「長男」と劇中の「観客」(やっぱりネタは面白くない)
・↑を更にメタ化する「作者の声」(文面だけなら腹が立つだけで面白くない、がメタ化によって笑えるものになっている)


・・・・つまり、本来ならどう転がしても面白くなりようもないネタを、メタ言及にメタ言及を重ねる事によって強引に「笑い」へと転換しているわけです。哭蔵氏による「海鮮家族」を正当派のメタ・パロディとするなら、これはさしずめメタメタパロディといったところでしょうか(意味不明)。
ただ、こうしたメタ言及は最初からある種の「(常識から外れた)馬鹿馬鹿しさ」を持ったものに仕掛けられるのが常道なのですが*1、この作品でメタ言及の対称になっている「アメリカンホームコメディ」は、作者によって初めから「どうしようもなくつまらない」ものとして作られてしまっているわけで、やや作為的過ぎるというか、「笑い」を作り出すための手段がそのまま目的化してしまった嫌いはあるかも知れません。もちろん、通常のギャグ作品としてはかなり高度な事をやっているには違いないのですが。

初めの位置から「動かない」物語、という印象を受けました。


主人公の「怪物」は他者とのコミュニケーションへの意思こそあれど、その行動は終始行き当たりばったりで短絡的です。話が通じない相手、嘘をつく相手、一言多い相手、自分のいる場所から出ていこうとしない相手、彼らを説き伏せ、仲良くなる事は確かに容易ではないでしょう(殺そうとした奴もいたぐらいですし)。しかし、相互理解は常にある種の破局から始まるものですし、またそうあるべきだと思います。
結局、「怪物」は元の家に戻り、愛する仲間とともに再び生きて行く道を選びました。それが「怪物」なりの思慮を重ねた結果であることは十分伝わってきた、という事を承知で言うなら、願わくばその後二人が紡ぐだろう「その先の物語」を、片鱗でもいいから見せて欲しかったです。


ゴシック調の画面の完成度の高さは、殊更強調するまでもなく素晴らしいですね。カラーの絵画において、赤系の色と青系の色を違和感なく同居させるのは非常に難しいのですが、作者氏は赤系の色を「明るく」、青系の色を「暗く」設定することで「明暗」によって画面を鮮やかに纏めていました。その中でどちらともつかないイエローの髪を持った主人公のコントラストもまた見事です。「パワーパフガールズ」のパロディから出発した作者氏ですが、最早完全に自己の作風を確立したように思います。

ギャップの使い方が上手いな、と思いました。かわいいキャラに毒々しいセリフを吐かせるのは、ややベターな手法ですが、その後の展開も、本気かと思いきやギャグにスイッチし、ギャグかと思いきや本気にスイッチし・・・の繰り返しで、尚且つマンネリせず、きちんと笑わせにかかっている所に作者氏の真面目さを感じました。ギャグのネタの幅も広く、PSPからジョジョまで、FLASH EXPO'05の参加層を考えれば、これ以上無いチョイスの仕方と言えるのでは無いでしょうか。

また、キャラクターが丁寧にも白、水色、灰、青、赤、緑と固有の「色」でキャラ分けされている所も、ヒジョーに分かりやすくていいなと思いました。正しく児童向けの作品と言えそうです。

ちょ、著作権は大丈夫なのでしょうか・・・まあそれはさておき(笑)、


あえて背景を描かないことで2次元座標と3次元座標の境界を曖昧にし、コミックの手法も取り入れてアニメーション内部にメタ的に言及して行く手法がかなり野心的で、非常に興味深く観ることができました。
トムとジェリー」という知らぬもののない著名キャラクターを使ったことも作品のテーマに合致していますし(でも著作権は大じょ(ry)、軽快なBGMに合わせた天衣無縫・縦横無尽の「動画」の面白さがあります。カートゥーンにはあまり詳しくないのですが、ワーナーアニメ全盛時代の最良の部分をキチンと引き継いだ作品と言って構わない出来ではないでしょうか。
最後、あえていつも通りの「追いかけっこをするトムとジェリー」の構図を再現したことにも、作者氏のカートゥーンへの愛情とリスペクトがひしひしと感じられました。

あえて↑の作品の次にこれを持ってくるあたりに、作者氏と運営者のとてつもない悪意を感じます(笑)。


本編も作者氏の(ディズニーに対する)悪意の全方位照射のような作品で爆笑モノ。Flash板関係の職人さんではベテラン中のベテランである作者氏にしては作りがえらく雑なのも(基本的に全編が1番で使ったアニメーションパターンの繰り返しって・・・)恐らくは意図的なものでしょう。こんな作品に真面目に取り組んだってどうしようもないという話です(笑)。かといって手抜きの意図は全く感じられず、特に主だった批判対象にされていた著作権法に関しては作者氏ご本人が大変な労作を執筆しており、むしろこっちの方が本編なのではないかと思ってしまいそうなほどです(笑)。ここまでやるなら、いっそのことこの問題とかこの問題とかにも触れて欲しかったところですが、まあ時間的制約を考えればこれぐらいの尺でちょうど良いのかも知れません。


ちなみに、本編で触れられている「小学校のプールのイラストを消させた事件」に関してはこちらのブログが中立的視点から詳細を語っています。著作権法そのものに関しては映画評論家・町山智浩氏による有名なエントリーがあるのでそちらも参考に。




【暫定的総括】
「笑い」が一つのテーマとして掲げられたイベントだけはあり、ユーモアと個性に富んだ刺激的な作品が多く見られた印象です。似たようなモチーフを扱っていても、オフラインならではの自由度の高さ故か、それぞれの作者氏が自分の作風を前面に推し出した大胆な表現を行っていました。単なる「ネタ」としての面白さに還元されるのみではない内容面の充実に拘った作品が見られたのも、今日のFlashの質的向上をよく表していると思いました。
出場している作者氏の多くが2ちゃんねるFlash・動画板の出身者で、ある意味「いつものメンバー」である点が、物足りないと言えば物足りないかもしれませんが、このような欠点はイベントの規模拡大と世間への認知によって自然に解消されて行くものと思いますし、またそういった「外部」へのアピール活動としても方向性は間違っていないと思います。こうした地道な努力がこれからも一定のペースを保って続けられていくことを願います。



関連エントリー:「フラハクおんらいん」感想

*1:児童向け作品がパロディの対象になりやすいのはこのため