今日のFlash(「感染」)

未知の病原体の感染を描いた不気味な作品です。


作者氏は本作がデビュー作であるらしく、描画には一見まだ拙さが見えるのですが、鑑賞者の手による解釈の余地を大幅に残した「未完成さ」がかえって不可思議なストーリーとともに受け手の想像力を掻き立て、ホラーとしての不気味さを何十倍にも増しています。象徴的に現れる「口」や、おたまじゃくしのような「病原体」、それを媒介する「蚊」に目の三つある「鼠」・・・・・目を逸らしてしまいたくなるようなイメージの奔放な羅列。


白一色の背景も、やたらとアップテンポな音楽とともにどこか抑圧的な緊張感を生み、焦燥感を煽ります。そうして溜め込まれたストレスが、暴力として発露するのがラストシーンの「意味」でしょうか。