「Flash Game Festival'05」感想・その1(「南瓜狩」「Mona Hockey」「はにーかけるめーぷる」「FLIFLIXX」)(ネタバレ注意!)

開催中の同イベントに発表されたFlash作品の感想です。感想を書いてる奴は基本的にゲームが下手糞なので、クリアできなかった作品もあるのですが、その点はご了承ください。
5月3日22時現在、6つの作品が発表されていますが、とりあえずそのうちの4つまで。

一見RPGのような体裁ですが、内容はむしろパズルゲームに近い感触です。ダンジョン系RPGから継承したのでしょう、「暗闇に松明一本」システム(?)を導入、主人公の視界を極度に狭く設定することで、ダンジョン内での「お宝捜し」にスリリングな緊張感を与えています。


象徴的なパンプキンのタイトルロールの如く、登場するキャラクターは敵含めユーモラスで可愛らしい格好のものが多いのですが、反面ゲームバランスはかなりシリアスでハードです。コンティニューが効かない上に敵の姿が一切不可視なものですから、ゲームを進めるにつれ段々とゲームシステムすら信用出来ないピーキーな状態に(プレイヤーが)追い詰められていきます(笑)。このあたりの硬派さ加減は同作者氏の「ギコネコの大冒険2」に勝るとも劣らずといった具合でしょう。


レトロゲームを思わせるシックでスマートなデザインの美しさも、流石は「Cycling Landscape」の作者氏といったところで申し分なく、腕に自信のある人は挑戦しがいのある作品に仕上がっていると思います。僕は4面で挫折しましたが(苦笑)。

無料Flash作成ツール「ParaFla!」で制作されたエアホッケーゲームです。


Flashエアホッケー、というと随分地味なゲームを想像してしまいますが、さにあらず、ポップなデザインとAAキャラを用いたコミカルなオプションの設定(各自固有の必殺技ですとか戦法ですとか)、スピーディーなBGMの組み合わせなどによって、非常に「派手」でとっつきやすいゲームに仕上がっています。
とはいえ、元々の「エアホッケー」の中毒性の高いシステムが変わるべくもなく、チャレンジモードではリトライ回数無限という親切設計と相俟って「勝てるようになるまで延々とプレイしてしまう」ちょっとした楽しみをお求めの方には向かないゲーム性があります(笑)。


エアホッケーのシステムそれ自体も、上記したような必殺技設定や、なかなかシビアな速度で跳ね回るパックの厄介さ加減なども含め完成度の高いものに仕上がっているとは思うのですが、恐らくインターフェース上の問題なのでしょう、スマッシャーの当たり判定の不安定さだけはもう少し何とかして欲しかったかも知れません。少しでも高速で動かすとすぐにパックをすり抜けて自殺点を入れてしまうので、ゆっくりとマウスを動かせば問題はないのですが、その後のゲームで逸る気持ちを抑えるのが一苦労でした(汗)。

シュート対象が人物、しかも一人しかも美少女ということで、自弾を正確に的に命中させるシューティングとしての面白さよりも、取り壊し予定の廃屋に近距離から石を投げつけるようなサディスティックな快感が先に立つ奇妙な作品です。
逃げ回る美少女対象をひたすら追いまわし、指先の限界までボタンを連打しなければいけないというゲームシステムは、ともすれば「いじめ」に近い構図にも取れてしまうのですが、単純なシステムにとことんまで執着して得点を引き上げる努力は対象への歪んだ愛情なしには成り立たないという意味では、クリアーの「ご褒美」が得点数によって変化するCGというのは妥当に思えます。


ところで、あの蜂の表情がどこかで見た顔に見えるのですが、これはメイプルシロップの飲みすぎから来る幻覚なのでしょうか?きっとそうでしょうそうに違いありませんこんな奴が美少女に汁を引っ掛けるという構図は幾らなんでも・・・・・・・・・・・・・・。

元ネタのゲームを踏襲したのでしょう、チープな画面にファミコン時代を髣髴とさせる電子音のBGM、さらに「エビFly」や「モグラー」といったどう見てもエビフライやモグラには見えない、そもそも何故彼らが主役でなければいけないのか分からないキャラクター達を中心に添えることで、プレイヤーの好奇心を刺激し作中世界への没入を促す癖のある雰囲気を醸し出しています。喩えるならば、ゲーム「バンゲリング・ベイ」でどう見てもただのブロックの集合にしか見えない物体を敵の軍事工場と思い込んで攻撃する感覚に近いと感じたのですが分かりにくい例えでしたかそうですか。


サイト「Aqua Logical」にて配布されている、元ネタのゲームを忠実に再現したという「Flash FLIXX」もプレイしてみたのですが、元は「サークルから円盤を投げて的にぶつける」ゲームだったものを、シューティングに近い体裁に組み立て直したのが作者氏のオリジナルだとすれば、原型のゲームの面白さを踏襲しつつ全く違った要素を取り込んだという点で絶妙なアレンジだと思いました。「確実な角度から投げつけたのに的に当たらない」「ミスするはずのないスピードで自機を動かしたのに壁に激突する」といった理不尽なゲーム性すら一緒なのは賛否両論あるかも知れませんが(笑)。


関連エントリー:「Flash Game Festival'05」感想・その2
関連エントリー:「Flash Game Festival'05」感想・その3