週刊少年ジャンプ2005年度24号感想(ネタバレ注意!)

発売は昨日ですが、アンテナの調整とかしていたら感想を書く暇がありませんでした。

  • カイン

決して内容的につまらないわけではなかったにもかかわらず、運悪く激戦期に新人として投入されてしまった+作風がジャンプに似つかわしくない地味なものだったなどの不運が重なりあえなく打ち切りの憂き目を見た「戦国乱破伝 サソリ」の作者・内水融先生の本紙リベンジとなる一作。
・・・・・しかし、良くも悪くも作風はあんまり変化していない。


主人公が太公望なのは叩き台となった読み切りの通りとしても、古代動乱のエセ極東に現れた超人的能力を持った人物が、世を支配する悪の勢力と善意の民集と協力しつつ立ち向かう・・・・・という基本プロットすら全部一緒なのはどーかと思う。善人を描くのは上手いが悪人を描くのは下手という特徴さえ一緒だ。こういうモチーフを積極的に選びたがるあたり、作者氏は本質的にかなりの善人なのだろうなあと思わせるのだが、善意だけではこの手の作品は面白くし辛いのもまた事実。


シリアスとギャグのバランスを取りつつ、陳腐に堕さない程度のベタさ加減の人情物語を堅実に描いていけば、「ジャンプ」では久しぶりの歴史ファンタジーのヒット作となり得ないこともないと思うのだが、今後数週は様子見の必要がありそうだ。

メガネを取った途端「テニスの王子様」バリのキメキメ具合で虚の王子様の座についた(と思われる)藍染様。表舞台に帰ってきた暁には「俺様の美技に酔いな」等と嘯きつつ鏡花水月卍解天上天下唯我独尊」(と書いてブルーアイズホワイトドラゴンと読む)を振るって一護と大激突、実体化した斬月のオッサンと2大怪獣死神界最大の決戦を繰り広げてくれるに違いありません。勿論最後は落雷を浴びてパワーアップした巨大オッサンと藍染が取っ組み合いになりつつ海底火山の爆発に巻き込まれて両者ドローですよ!!

人がカラスと化して分裂する演出とか、よくできてるんだけど描き方が完全にアニメの絵コンテだよなあ。もっとコマ割りを生かして漫画っぽい演出の方が僕好みなのだが、岸本先生はどちらかというとアニメマンセー派なのだろう多分。

月と話す時のニアの変貌ぶりがいいなあ。こういう漫画的な性格演出は嫌いな人も多いんだけど、上手く使いこなせば普段とのギャップも相俟ってインパクトは絶大。一見メロ、ニア、月の三人の中では一番常識派っぽい彼も確実にLの狂気を受け継いでいると考えるとワクワクする。
いっそメロもピンチになったら急にオカマになったりして*1ただのヘタレヤンキーを華麗に脱却してくれないだろうか。そこでメロ×ニアの愛の物語も絡んで同人人気が爆発ですよ!(またか)

  • ユート

掲載位置が・・・・・・


ベテラン作家のアドバンテージで今期の離脱はないと思うのだが、このまま行けば確実に打ち切りの第一候補だなあ。ジャンプにしては恐ろしく地味な青年誌的内容なのでしょうがない部分もあるのだが、これが消えるといよいよ20代以上向けの作品が一つもなくなるような気がする。少年誌としてはそれで正しいのかもしれんが。

*1:赤マルの表紙とか一見カマっぽいよな