今日のFlash(「オラサイトCM」)

下記事情により新作のちゃんとした感想を書く時間が取れないので、旧作の紹介でお茶を濁すことにします。
伝説のFlash作家ドラワサビ(6419)氏による初期作品の一つで、氏のサイト「オラサイト」のCM的な役割を負った作品です。


何故突然本作を取り上げる気になったかになったかと言えば、「にゅーあきばどっとこむ」でのばるぼら氏の連載「Flashアニメの歴史(第9回〜ムネオハウスとPV系Flash)」を呼んで真っ先に思いだしたのがこの作品だったからなのですが、2002年に所轄「PV系」(MG系)と呼ばれる諸作品が登場するさらに前にWEB上に出現していた、当時はジャンル不明のイメージムービーFlashと呼ばれていた作品が本作。
発表年次の正確な記述は残っていませんが、僕のHDD内に保存されたswfファイルの最終更新年月日が2001年10月13日となっており、これはスキマ産業氏が「1000キタ━━━ (゜∀゜≡(゜∀゜≡゜∀゜)≡゜∀゜) ━━━━!!!!!!!!!!」をFLASH・動画板で発表する約1年前に当たると言えば、少しはその凄さが伝わるでしょうか?*1


とは言っても、本作の演出は「ドラサイト」が生み出した多くのナンセンスギャグFlashと同じく、シンボルの「動き」を重視したPV系(MG系)作品とは違い、「止め絵」の美しさを生かした良くも悪くも紙芝居的なものではあるのですが、ロックバンドオアシスの名曲「Morning Glory」に合わせて描かれるエモーショナルで謎めいたストーリーには、後のPV系(と名づけられることになる)多くの名作に通ずる、映像と音楽のコラボレーションによるMTV的な作品制作の萌芽が見られるように思いますし、「ムネオハウス」ムーブメントが起こる更に以前に、アマチュアにしてたった一人でこのような表現に辿り着いていた作家がいたという事実は、一定の評価を与えられて然るべきだと思います。


ドラワサビ氏ほどの天才が何故Flash制作を行わなくなってしまったのか、今でも時々考える事があるのですが、自分の用いた表現を礎として次々と傑作を生み出して行く作家達の行いを、彼は今でも静かにどこかで見守っているのではないかという気持ちにさせられるのは僕だけなのでしょうか?
自分で描いた朦朧とした未来の姿が、着実に現実に変わっていくその様に身を震わせながら・・・・・。


Another sunny afternoon

Walking to the sound of my favorite tune

Tomorrow never knows what it doesn't know too soon


Need a little time to wake up

Need a little time to wake up, wake up

Need a little time to rest your mind

You know you should so I guess you might as well


What's the story morning glory. Well?

What's the story morning glory. Well?

Need a little time to wake up, wake up

*1:「「ドラサイトの歴史」の記述では旧「ドラサイト」が「オラサイト」に名を変えたのは2001年10月15日だ。13日にオラサイトのCMを発表出来るわけが無い。嘘つくんじゃねえぞコラ」との反論が来るかも知れないので言っておきますが、本作は元々「ドラサイトCM」として発表された作品をドラサイト閉鎖に伴いリメイクしたものであり、僕が持っているのは最初に発表された幻の「ドラサイトCM」なので日付がさらに古いのは当然なのです。ちなみにオリジナルの「ドラサイトCM」はタイトルネームが「DoraSaito」になっているほか、ラストシーンも若干異なる部分があります