winterschlafさんのコメントへの返答(あるいは先週書いた「じゃんぷる」批判エントリーについての蛇足的言い訳)

上記エントリーに対して本日、「じゃんぷる」の現役投稿者であるwinterschlafさんこと冬眠さんからコメントを頂きました。冬眠さんは読者ハガキ投稿ページ攻略サイト「Winterschlaf」の管理者でもあり、僕もコメントを頂いた後慌ててサイトを読んだのですが、大変真摯に投稿文化と向きあっておられる方と見受けられました。
そのような方のコメントを頂いてしまった以上、こちらも普段のコメント以上に真剣に応対するのが筋だろうと考え、コメント欄ではなく独自エントリーを立てての返答といたしました。


まず、「週刊少年ジャンプ」という雑誌に対する僕のスタンスなのですが、普段当サイトの感想をお読み頂いている方なら分かると思うのですが、何しろ20も過ぎたオタクが執筆者なものですから、かなりシニカルというか斜めに構えた見方をしています(普段のFlashアニメや漫画についての感想とはスタンスが違っています)。特に個人的に大ファンだった和月伸宏先生の「武装錬金」が先日打ち切りの憂き目にあってからは、ジャンプ編集部への信頼度は最低レベルまで落ち込んでいるので、「じゃんぷる」についての批判も当該コーナーを直接運営しているジャンプ編集部へのささやかなイヤミというか嫌がらせのつもりで書きました。そのような軽い気持ち(の悪意)で書いたエントリーが幾つかの大手ニュースサイトに取り上げられたことで多くの人の目に入ることになってしまい*1、もう少し真剣な態度で書けば良かったと反省しています。


上記のような経緯で書かれたエントリーであるので、書かれた内容にはかなりのバイアスというか負の方向への印象操作が込められていたのは事実です。例の「廃棄いたします」という文面に関しても個人情報保護法の試行に関連して投稿者のプライバシーに配慮しなければならないことから記載されたのだろうということは書く前からうっすらと頭にありましたし*2、何だかんだ言いつつ毎週読んでいるコーナーなので、強烈な嫌悪感を持つほどに「つまらない」と思っているわけではありません。勿論、中には爆笑したハガキもありますし、個人的に好きな投稿者さんもいます。

たしかに、「個人情報保護法に乗っ取り、一定期間個人情報をしっかりと守って保管しています」・・・とか書いてあるとこのような誤解はなかったと思いますね。

僕があえて「”廃棄”とは何事だ」と書いた理由は上記の通りです。今考えると色々と本来無用な悪意を込めすぎたと思います。すいません。

あ、はじめまして。僕はじゃんぷるのハガキ描きです。
「過去の「ジャンプ放送局」を全く知らない僕みたいな人間でもこのコーナーのつまらなさは際立っているように思える。」
本当にすいません、精進致します。

これはエントリーにも一応「これは投稿者の人が悪いんじゃなくて」とエクスキューズを入れているのですが*3、僕が(本気で)否定しているのはあくまでも編集部サイドの制作方針や企画の面白さについてで、投稿者の方を批判しているのではありませんでした。投稿者の方がどんなに知恵を絞ってネタを考えても、投稿を集める企画そのものがちっとも面白くないのでは、必然的に面白い投稿は集まりにくくなると考えられるからです。
冬眠さんのような様々な雑誌に投稿を行っている所謂「投稿ファン」の方にとっては、かえってつまらない企画の方が「面白いネタを一生懸命考える甲斐がある」と思えるのかもしれませんし、また逆に冬眠さんが「じゃんぷる」の企画をいずれも素晴らしく面白いものだと考えられているのかも知れません。それは価値観の違いと考えて頂くしかありませんが、前回エントリー2〜3段落*4に書いた内容を読んで頂ければ、何故僕が「じゃんぷる」の企画をつまらないと考えているのかは分かると思います。

じゃんぷるに限らず(雑誌やラジオ)、他のハガキ描きさんとチャットやらメッセしていると、賞品や順位とかインタビュー目当てで投稿している人は少ないと思います。純粋に一生懸命書いた作品が掲載されることが嬉しいという人のほうが圧倒的に多いんですよ。

これについては異論があるので少し述べさせて頂きます。
冬眠さんご本人や、冬眠さんが運営されているようなサイトを読んだ上で真剣に雑誌投稿について考えてられている方からすれば、「他のハガキ描きさんとチャットやらメッセしていると、賞品や順位とかインタビュー目当てで投稿している人は少な」く、また「純粋に一生懸命書いた作品が掲載されることが嬉しいという人のほうが圧倒的に多い」のは確かなのでしょうが、果たしてそのような態度が(「ジャンプ」の投稿コーナーにおいては圧倒的にマスであろうと想像出来る)小中学生にも徹底されているかと言えば、相当に疑問なのではないでしょうか。


前回のエントリー中で、僕は意図的に「クラスの人気者になる程度の夢」「主要な投稿者兼読者である子供たち」といった記述を行いましたが、それはまさに、「商品や順位やインタビュー」で”釣られて”いるのが”主要な投稿者兼読者”である小中学生である、との考えに基づくものです。
上記した「廃棄」の話云々についても、ジャンプ編集部への嫌味を言うのが第一の目的としてあったのは事実ですけど、念頭にその記述を読んで本気で傷つくかもしれない*5子供達のことを置いていなかったわけでは決してありません。別に偽善者ぶりっこがしたいわけではないのですが、小中学生を相手にとって商売をする少年漫画誌の投稿コーナーの癖に、重大事項として誤解を招きかねない表現の文章を載せたり、その時その時の流行をリサーチしたものをそのまま企画化してしまったり、ましてやコミュニケーションを目的化して読者の投稿意欲を煽ったりするのは、所謂子供をナメているとしか言いようのない態度だと考えたから前回そういう書きかたをしたわけです。上記事項は冬眠さんの言われるような、インターネットすら利用して熱心な投稿に励んでいる方からすれば何の問題もない事とは思いますが、一部の読者にとって「問題が無い」からといって、全ての読者にとって問題がないとは限らないのではないでしょうか。


勝手な偏見が入ってしまっているかも知れませんけど、やはり「ジャンプ」のような超メジャー誌を読んでいる読者の総数からすれば、冬眠さんや僕のようにインターネットを使ってジャンプについて色々考えているような層は非常に少数派なのだと思います。だから(ネットで大人気だった)「武装錬金」はあっさり打ち切られてしまったし、(逆に裏人気の凄かった)「BLACK CAT」がアニメ化するなんて現象が平気で起きているわけで。


大変長くなりましたが、僕からの返答は以上です。
改めて、冬眠さん、僕の悪口エントリーに対して怒らずにコメントして頂いてありがとうございました。有意義な体験とさせて頂ました。

*1:勿論取り上げてくださったニュースサイトの管理者の皆様には何の罪もありません。為念

*2:ムーさんのコメントを読むまでずばり3月発売号から載せられた文面だと言う事は知りませんでしたが

*3:この一文だけでは不十分だったかも知れませんが・・・・

*4:「今週も「第9回レース開始号」って事で早速〜」から「〜それで実現できるんだろう。」まで

*5:当たり前ですけど、多くの子供は個人情報保護法案の事なんか知らないでしょうから