週刊少年ジャンプ2005年度33号感想(ネタバレ注意!)

土曜発売だと言うことをすっかり忘れて完全に感想書く時期を逸した!

少女漫画メソッド。


最近加野瀬さんのブログのオタク関連エントリー(7月14〜16日あたり)を色々読んだのだけど、別にそれらで繰り広げられている議論がこの「みえるひと」と直接的な関わりがあるわけではないのだが、いろんな方面のオタク向け作品の少女趣味化が進んでいると言う指摘は面白かった(具体的には「「電車男」評/ヲタク青年は白馬の王女様の夢を見るか?」あたり)。そこには従来の男性向けフィクションに備わっていた父性的な気質がなく、むしろ女性の視点から描かれているものが多い、とか。


まーこのあたりの議論は僕ごときが整理できるような類のものではないので詳細はリンク先を読んで欲しいんですけども、ようやく本題、「みえるひと」の読者への視点提供はヒロインである姫野の視界のフィルタを通したものであり、明神は主人公であって主人公ではない。むしろ、「特に取り得もなく平凡だが何かとトラブルに巻き込まれがちな少女」が「自分を助けてくれる白馬の王子様」に出会って成長していく少女漫画的ストーリーだと考えるとこの第一話の構造はクリアに見えてくるように思う。いや勿論ジャンプだから来週から突然魔界から参上した脳噛魔人三兄弟とか明神打倒に執念を燃やす魔法律使いのライバルだとかが登場して連載の覇権を懸けた大バトルが展開される可能性も無きにしもあらずなんだが、ネタの面でかなり被ってしまっている他連載との差別化を図ると言う意味でも、姫野タンハァハァとか恥ずかしげもなく言ってのけるオタク男子と絶対に登場するだろう明神のライバルキャラ面長美男子21歳にあらぬ妄想を膨らませる女性読者(別に同人女性に限らず)をメインターゲットにするのは正しいような気がする。


あーあと、ストーリーに確固たる目的を設けずオムニバス形式で脇道に逸れつつダラダラやるっていう感じになるのなら(上でも書いたがそうならない可能性も現時点では同じくらいあると思う)、それもまた少女漫画的なアプローチと呼んで良いかもしれないなあ。なんか少女漫画をバカにしているように読めてしまうかもしれませんが、そういう意味じゃなくて単に少年ジャンプと言う熱血筋肉馬鹿男子ワンパタ&マンネリの砦とも言える場所にこういうタイプの作品が登場するのは珍しいなあと。前に何かあったっけこういうの?アウターゾーン

サソリが持ってるのは人間を強制的に傀儡にする超能力(忍術)か何かなのかね。子供の頃からパパママ傀儡と延々と一人遊びを演じていたと言う設定がなかなか気が狂っていて面白い。岸本先生夫婦生活で何かあった?(新婚だったはず…)

激写!!元教え子と白昼堂々の逢い引きに及ぶリオ先生カメラマンを焼き殺しつつ何故か写真だけは本部に転送精根尽きたバンキシャの鏡!彼女は十中八九反逆者だよ俺を差しおいてあんなガキと!!!
リオ先生の過去話までもが大映的メロドラマなのは意図的なのでしょうか。ムラ社会の歪みはハンドアックスで是正するのが効果的だと思います!!


追記:ハンドアックス使いのモヒカン族の方に補足されたみたいなので、ジャンプなんか読んでねえよボケ死ねと言うモヒカニアンな貴方の為に今週の大まかな粗筋を付記しておきます。


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世界の果て三丁目ホグワーツ通りに病床の母親とともに住んでいる銀河の終わりの魔法使いことリオ先生は、グリフィンドール魔術学校の専任教師にしてカラダを武器に高級霊能力グッズを売りつける東京の場末のホストクラブに通っていそうな推定27歳。第三次凸村戦争にて攻撃を受けた母親を救う為得意先のスケベ親父その他に助けを求めるも上記設定から容易に想像されうるムラ社会的確執により要請を拒否され肉親を失う。その後元教え子二人が現在進行形で繰り広げているこれまた極めてバイオハザードな俺とゾンビの物語に巻き込まれ教え子の片方(勿論悪人)の魔手に絡めとられて白昼堂々あんなことやこんなことも!?の現場を噂の真相の特派員に激写され、特派員は恩赦として会社が潰れる一足先に約束の大地へいい日旅立ちその後色々あって教え子(悪)の司令により教え子(善)抹殺の為に利用されるリオ先生は、やはり彼女と肉体関係のあった魔術学校のボス58歳が派遣した数人の魔法使いハウルと火の悪魔とジャンプ的大バトルを繰り広げるのであった。
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一部に筆者独自の脚色が加えてありますが、大筋では間違っていません。

トントン拍子で事が進み過ぎと言うかメロ側のマフィアがほぼ全滅するような異常事態においてさえ全く存在すら確認されていないニア及びSPKは何の為に登場したんだきっと局長が突入したときにはもう全ては終わっていて遅かったですねメロは僕が始末しましたよ残念無念プゲラッチョとか言いつつ無根拠にカッコつけてくれるに決まっていない。

「賞賛の書き込みが続々だぜ」と書いてあったので見に行ってみたら、案の定投稿管理システムがあった。「賞賛の書き込みばかり」じゃなくて「賞賛の書き込みしか載せてない」の間違いだろぬぬんでもこういう事って日常的に行われてるんだろうなあ。