週刊少年ジャンプ2005年度38号感想(ネタバレ注意!)

タカヤ−閃武学園激闘伝−

昨日の晩メシを食っているときに何故この漫画が僕にとってつまらないのかということについてしばし考えたのだが、「昔の梅澤春人漫画にソックリだから」という実に妥当と思える結論に達し大変すがすがしい気分になった。梅澤先生と言っても「魔城ガッデム」の頃じゃなくて「BOY」の頃ね。梅澤先生が「絵が古い」とか言われてジャンプ本紙から追放されてしまったあと、単細胞筋肉馬鹿の主人公がチンピラ退治に日夜奮闘する男尊女卑的な世界観がジャンプに不在であることにイラだっていた男子小中学生が、今風の萌え絵とBOY時代から変わらぬストーリーを備えた本作の主要購買層になっているんじゃないだろうか。


んーしかし最近読んだ「ユリイカ 2005年8月増刊号 総特集*オタクVSサブカル! 1991→2005ポップカルチャー全史」(にしても長いタイトルだ)という面白い本に堀越demiさんという方が書かれていた「萌え」についての考察によると、オタクがホモソーシャル的な世界観から逃れて女性性を回復するのに「萌え」は重要な役割を果たしたらしい*1ので、そう考えるとこのタカヤ"ツンデレ"閃武学園激闘伝も(たとえ「最近流行ってるから」というような理由でオタク的要素を取り入れているのだとしても)梅澤先生時代から見れば相当に進歩していると言う事なのだろうか。でも最近の展開からすると(現時点ではそこそこ強い)ヒロインの渚さんもそのうち強くなりすぎたタカヤによって「護られる女」のポジションにすっぽり収まってしまいそうな感じで残念だなー。そこら辺を上手い具合に裏切れば僕にとっても面白い漫画になるかもしれないので期待したい!


ところで、上で書いた「ユリイカ 2005年8月増刊号 総特集*オタクVSサブカル! 1991→2005ポップカルチャー全史」はとても面白い本なのでその手の話に興味のある方は皆買えばいいと思う。


太臓もて王サーガ

この漫画に笑わせられると快感よりも悔しさが先に立つのは何故だろう…。

魔人探偵脳噛ネウロ

僕は昔からいわゆる「推理もの」や「探偵もの」というジャンルが苦手な方で殆ど読んだりしないのだが、その理由のひとつとしてそれが「探偵=正義」「犯人=悪」というような勧善懲悪的な陳腐な構図にすっぽり収まりがちだと言う事があって、勿論ハイレベルな小説作品などではそうした問題はクリアーされているのだと予測は出来るのだが、何故だかメジャーな漫画作品は殆どそんな感じであるので、「ジャンプで推理漫画が始まった」と聞いた時にもまぁたそんな作品かよと相当な偏見を持ってその内容を心配したりしていたのである。が、少なくとも今の所この「ネウロ」はそうした陥穽をことごとく回避しているように見えるので大変面白く読めている。


まあそれは(1巻表紙裏の作者氏本人の談にあるように)この漫画が実は「推理もの」どころかミステリですらない単なる怪奇漫画であるからなのかも知れないのだけど、それでも本作の「敵味方関係無くほぼ全員が悪人」「登場人物の内面に(下手に)踏み込まない」「推理する事を自己目的化しない」などの、従来の探偵漫画が持つことができなかったバランス感覚をまるで当然のことかのように持ち合わせている様は、「探偵漫画としての」良い意味での「新しさ」であると言ってしまって語弊はないと思う。
なんかあまり小中学生のアンケートを取れていないようなので先行不安なところではあるけど、今のジャンプの連載陣で「長続きして欲しい」と思える数少ない作品なのでその通りになって欲しい。タカヤの倍ぐらいアンケート取れればいいと思うよ!そしたら面白いのにねえ。

Mr.FULLSWING

影を見られるのが弱点なら太陽を覆い隠すことが先だ!吹けよ風呼べよ嵐ということで最終局面に来て突如天候が変わり主人公チームが有利になるというソリューション。最後は雷(本物)と一緒にバッター目がけて落下する天竜でジエンドだ(命とか)

*1:詳しく知りたい人はちゃんと本を買って読んでください!ページは140ページ下段20行目から141ページ上段最終行まで!