人権擁護法案について少し追記

 自民党は十一日の役員連絡会で、今国会への再提出を予定している人権擁護法案について、党内合意が得られていないとして、国会提出を当面見送ることで一致した。与謝野馨政調会長は「疑念が払拭(ふっしょく)するまで法案は提出させない」と明言。武部勤幹事長も「その方針で取り組んでほしい」と応じた。
 これに関連、久間章生総務会長も「議論を深める必要がある。簡単に出せるのかという思いもあるので、もう少し見守りたい」と指摘。党三役が慎重姿勢を示した。
 この日の役員連絡会では、古屋圭司党改革実行本部長代理が「同法案は人権侵害の定義があいまいで恣意(しい)的に運用される余地が大きい」と批判。新設の人権委員会が令状なしで捜索・押収できることや、民間委嘱の人権擁護委員の選考があいまいで、国籍条項もないなどの問題点を挙げた。
 安倍晋三幹事長代理らも同調。安倍氏は自身がNHK番組に政治圧力をかけたと報じられた問題を引き合いに「『公平公正に』といっただけで人権侵害といわれ、ファクスなどで激しい嫌がらせを受けた。この法案が成立すると一体どうなるのか」と述べた。
 民主党などが削除を求めるメディア規制条項は、佐田玄一郎筆頭副幹事長が「ペンの暴力から国民を守る法律が必要だ」と必要性を訴えたものの、古屋氏は「メディア規制は『枝』にすぎない。法案の問題は『幹』にある」と条項修正だけで了承できる問題ではないと強調した。
 南野知恵子法相は「理解を得られるように作業を続ける」と語った。

まあまあ予想通りの流れ。ネット上での抗議の甲斐がありましたね。と言っても反対派の拠点サイトにもあるように、単に提出が引き伸ばしになっただけで法案自体がお流れになったわけでは全然ないのですが。

流石カリーさん。正直言って僕のエントリーなんかよりずっと良質な「反対派への批判的見解」です(笑)。そうか、労働法を不当に捻じ曲げる可能性もあるんだな。なんだか昔公民の授業で習ったこの裁判を思い出したけど、この法案が敷かれた後じゃ間違い無く最高裁でも原告側の言い分が通るだろうなあ。この辺の、上手く言えないが、既存の法律をハードルなしに超越しうる可能性の方が、実は本法案の表面的な恐怖よりよっぽどヤバいかも知れないな。