「オリジナル作品はいつ作る?」

CATMAN」シリーズで有名な映像作家、青池良輔氏のブログから。

クリエイターの人の話を聞いていると、よく


 「仕事が終わってから、時間を削って自分の作品を必死で作った時期があった」


 という話を聞きます。僕も、初めて「CATMAN」という作品を作り始めたときは、そんな状況でした。会社が終わると、まっすぐ家に帰って朝まで作品を作ってまた会社に行く。就業時間中に居眠りをして、しょっちゅう怒られていました。Flashアニメに限らず、様々な分野でオリジナル作品を作られている人は、同じような事をされている人がいっぱいいるようです。

本文の内容とはテーマがズレるのだが、上記のような「自分の作品で金が稼げない」事態はアマチュアにおいては当然なのだが、優れた作品を作る才能を持っている「アマチュア」が「プロ」になれない、なれる土壌が整備されていないと言う事が、まあ散々言われているように現在のWEBコンテンツの最大の問題点なのだろうな、と思う。


R30さんのエントリーではないが、コンテンツ配信というのはとにかくカネにならないビジネスだ。そのコンテンツが例えば芸術的視点から見て優れたものだとしても、ユーザーに受け入れてもらえるかどうかは発表してみない限り予測がつきにくい。あるいは予測を行った上で「売れない」作品という裁定を下されてしまう(アート系のアニメーションなど)性質の作品であっても、優れているものは俄然と存在し、そういった作品の作者がちゃんとカネを稼げる状況はどう作っていけばいいのか?と言われると、頭を抱えてしまう。


両氏に対して否定的な意味ではないので誤解しないでほしいのだが、青池氏やポエ山氏のように、才能を買ってくれた「プロデューサー」=企業側の要求に的確に応えた作品を、自身のアーティスト・エゴとは別次元で実現できる実力の持ち主ならばなにも問題は生まれないのかも知れないが、すべての作者が青池氏やポエ山氏になれるわけではなく、むしろそうなれない、アマチュア的なエゴに拘り続けたいと願っている芸術家肌の作家というのは確かに存在している。それが浅薄な「作家のワガママ」に過ぎないものならば、プロとして食っていく覚悟を背負った以上、ある程度捨て去る勇気も必要なのだろうが、その「ワガママ」がそのまま作家としてのオリジナリティの中核にあるような作者の場合、状況はかなり難しいことになってくる。


同人誌作家の中から優れた作家を引き抜いて雑誌一つをぶち上げてしまう漫画業界のような柔軟さ、あるいは本業とは別の広告用アニメーションやPVを本業と同時進行で作り、コンテンツ配信に比べて遥かにカネの稼ぎがいい広告業に従事できる作者なら、あまり深刻な問題にもならないんだろうが・・・・色々考えたけど全然考えが纏まらないので、オチは特にありません。すいません。