幸せの青い鳥

本当ははてなブックマーク向けの内容なのですが、引用の必要があったのでこちらに。
bewaad institute@kasumigaseki4月18日のエントリーコメント欄に、svnseeds氏が興味深い示唆を為されているのを見つけた。

当該エントリーの内容

  • 若年層無業者問題を考えるのに「ニート」という新たな区分は必要ないこと
  • 若年層無業者問題の本質は20〜24歳の労働力人口の減少にあること
  • 20〜24歳の労働力人口の減少は景気の動向と密接な関係があること
  • ニート」という言葉で問題の本質からfocusをそらすことは、無意味であるだけでなく有害であること

これはまったくの思いつきなのですが、近年の日本は社会的に青い鳥症候群に罹患しているように見えます。バブル崩壊以後の経済低迷の中で、まず永田町や霞が関が諸悪の根源とされ対策が講じられ(いわゆる政治改革・行政改革)、それでもパッとしないため次に企業が問題視され対策が講じられ(不良債権処理や産業再生、過剰債務整理など)、なお回復が見られないので、いよいよ個人におはちが回ってきたのではないでしょうか。


もちろん、依然として政治改革がなっていない(定数是正など)、行政改革もまだまだ(特殊法人など)、といった意見もありますし、他方で以前から個人の資質ややる気を問題視する見解もあり、さらには財政改革のように継続的に指摘されているものもあるわけですが、メディアで多く見かけるものは概ねこのように推移してきたと言えるのではないでしょうか。 (強調引用者)

コメント欄の書き込み

◆ svnseeds (2005-04-19 21:38)
どうもです。
政治家>官僚>企業>個人、ときて、次は「国家」ですかねー。もうずいぶん前からその兆候が現れているようでガクブルです。いやホント。とっととリフレしる。

bewaad (2005-04-20 05:58)
>svnseedsさん
しかし、もう6月の当預残高引下げは織り込み済みな感じですね。中国問題がこじれて株価が下がると、怪我の功名になるかもしれませんが(苦笑)。(強調引用者)

軽軽しく書くのは憚られるが、先日の大事故でも似たような「犯人探し」が行われているのを幾つかのところで目にした。何か重大な問題が起こったときに、その原因を見極め的確に審査する目は勿論必要だが、わかりやすい「悪」に責任の全てをなすりつけてしまうだけでは、その過程で行われたかも知れない致命的な見落としに気付かないケースが往々にしてある。放置された綻びはやがて巨大な解れとなり、問題に関わろうとしたもの、しないものの区別なしに甚大な被害を与えていく。


サンデーの「ARMS」だったかな、「人間にとってもっとも厄介なのは絶望ではなく希望だ」というセリフがあったのは。あの漫画は後半になるにつれ予定調和的な「希望」の物語にそのテーマをシフトしてしまったが、一見愛らしい青い鳥の姿をした「希望」が、いかにも醜悪な「絶望」がもたらすそれよりも残酷で悲惨な事態に世の中を導いてしまう場合が、過去にも幾度となくあった*1ことに対する反省の意識が、自分に限らぬ現代人に妙に希薄になってきているような気がして戦慄する。


蛇足:この話のオチ

◆ いなば (2005-04-18 10:41)
それはその通りだがしばしばリフレ提言も「青い鳥」呼ばわりされてきた希ガス

bewaad (2005-04-19 06:10)
>いなば先生
個人的な印象では、「青い鳥」呼ばわりというよりはむしろ、パナセアを売る詐欺師扱いだったように思いますです。

(´Д`;)

*1:ex.ドイツの経済復興を笠にきて大衆の支持を得たアドルフ・ヒットラー