週刊少年ジャンプ2005年度39号感想(ネタバレ注意!)

アイシールド21

正真正銘最後のチャンス―


敗者復活戦がよ



左:モン太
右:鉄馬


想像の斜め下を行く展開です!韓流ブームに乗せられたんでしょうか。

ムヒョとロージーの魔法律相談事務所

全身から死亡フラグの臭いを漂わせているペイジ師匠ですが、やはり王道的に自ら単身エンチューに挑んで見事返り討ちにされ死亡という感じの展開を行くのでしょうか。いいだろうこんどはこっぱみじんにしてやるあの魔法律家のようにあの魔法律家のようにペイジのことかペイジのことかー!!!!あーそういや今週のワンピースはいきなりスカウター能力を使い出したので案外バトル方面は早めに片付けるつもりなのかなーとか思った。


内容とは全然関係ありませんが紙吹雪を拾うときさりげなく耳にかかった髪をはらっている今井さんは素晴らしいなあと思いました。つーかこれで萌え狙いでなくナチュラルに演出してるんだとしたらすげえよ作者の人が。女性の仕草の研究とかを熱心にされてるんでしょうかペンネームイコール本名の方なので男性なのは間違いないのですけど。

家庭教師ヒットマンREBORN!

この漫画の登場人物の悪人度

主人公<<マフィアの面々<<<主人公の仲間(リボーン含む)<<<<<ヒバリ<<<<<<<<<<<<<<<<<<<たまに悪役として登場するチンピラ(順不同)

あーツナは二股かけてるからマフィアより悪人度は上としていいかも!!つーかこれ完全に警察沙汰だろ何やってんだこの世界の大人勢は。

D.Gray-man

この作者さんの画面構成は基本的にイラスト的な美しさを基準に考えられていると思うのだがそれが結果として実験的なコマ割りにも繋がっているのが面白い感じだ。誰かに何かのパクリとか言われても気にせずにどんどんやるがいいと思う。

DEATH NOTE

おばたたけしの おいろけ こうげき!


あんけーとが 100つう ふえた!


けいさいじゅんが 3 あがった!


だいじなものを またひとつ うしなった!!

結局キラvsLチームの二項対立の戦いに戻るんかい、とも思うがここ最近の展開の拙速ぶり及び掲載順の低迷を考慮すると仕方がないのかも。

切法師

ああそうか、膿泥児は膿泥児なりに(必然的に人間を喰わねばならないことを前提として)合理的な手段(生贄制)で人間とつきあっていこうと考えていたのか。勿論それは人間側視点から見れば理不尽とも見えるもので、実際主人公は切法師の務めとしてその理不尽を打破しようとしているのだが、それは即ち(現実的問題への応急措置としての)「合理的な手段」を排除して、根本から世界を改革しようという動きであって、それは当然ながら多大な犠牲を伴うものになってしまう、と。


数週間前からもう打ち切り決定しました次回作にご期待ください的な展開と掲載位置で殆どノレていなかったのだが、この辺のテーマこそ作者さんの本当に描きたかったものなんだとしたら、やっぱりこの人にはジャンプという雑誌は根本的に向いていないと思う。上記哲学を今の政情に絡めてモーニングで面白風刺漫画を書くべきだ(無茶か)。

第17回CGアニメコンテストグランプリ受賞者木霊さんの公式サイトを発見しました

8月29日のメモにおいて「JAWACON」に言及されている「弥栄堂」さんのコメントから、第17回CGアニメコンテストで見事グランプリを受賞されたアニメーターであり、今回のJAWACONにも3Fで(グランプリ受賞作品でもある)「MY HOME」を出品されている「木霊」さんの公式サイトを発見することができました。
検索エンジンになかなか引っかからなかったため、てっきりサイト自体が存在しないものだと勘違いしていたのですが、無事(?)見つかったのでJAWACON3Fの上映作品の作者氏のサイトリストにも木霊さんのサイトを追加しておきました。


サイトにムービー作品は今の所置かれていないようですが、コンテンツには「MY HOME」始めとする木霊氏作品の背景集などもあり、元々背景画家志望だったという氏の壮麗な画力を堪能することができます。

「JAWACON」参加作家コメント集+α

27日に開催されたウェブアニメーションのオフラインイベント「JAWACON-JAPAN WEB ANIME CONVENTION 2005」に、作品出品などの形で参加された作者氏のイベント終了後のコメントをIAAから集めてみました。
観客の立場からまとめられた所謂「レポート」は既にGilCrowsさんまとめられているのでここでは取り上げませんが、合わせてご参考にして頂ければ幸いです。
コメントがアップされ次第随時追加していく予定です。

参加作家(4F)コメント

MoRinono」の森野あるじさんのコメントです。[出品作品「Mari Mari」]

活動漫画館」ののすふぇらとぅさんのコメントです。[出品作品「海からの使者」]

ひららこーぼー」のひららさんのコメントです。[出品作品「猫と青年」]

512kb」の512kbさんのコメントです。[出品作品「バブルス」]

POEYAMA ポエヤマ」のポエ山さんのコメントです。[出品作品「Lido - 砂の花 -」]

蛙男商会」のFROGMANさんのコメントです。[出品作品「宇宙食堂味よし」]

MARU PRODUCTION」の丸山薫さんのコメントです。Flashで出力されています。[出品作品「吉野の姫」]


参加作家(3F)コメント

BondeFlashForest」のぼんでさんのコメントです。[出品作品「HAMIL」]

CG・特撮・アニメーション制作 Don't knock TV」の井端義秀さんのコメントです。[出品作品「夏と空と僕らの未来」]

瀬戸内ブラック動画」の瀬戸内ブラックさんのコメントです。[出品作品「食人鬼」]

RonzTB」のかみやろんさんのコメントです。[出品作品「たたかえビスケたん」]

弥栄堂」のつかはらさんのコメントです。[出品作品「甲鉄傳紀シリーズ」]
3Fで「MY HOME」を出品されたアニメーター木霊さんについての言及もあります(詳細はこちらを)。

スタジオ山城301 ぶっちぎり全速つけまい」の山岸たかおさんのコメントです。[出品作品「絶対無双麻雀マン」]

動画Studioじゅんじゅん」のじゅんじゅんさんのコメントです。[出品作品「デュアルスターFINAL」]


その他

インディーズアニメNPOPROJECT TEAM DoGA」のかまたゆたかさんのコメントです。

Flashアニメーションサイト「ねずみのろうか」の神倉みゆさんのコメントです。今回は作品の出品はされていません。

漫画評論家竹熊健太郎さんのコメントです。「まんがたうん」で「◇デジタルマンガの現在(いま)−2− ■ウェブアニメの個人作家たち」という記事を書かれていた関係で、今回のJAWACONにも出向かれていたようです。

FlashMaker*Room」の524|* ゜ー゜)っ*~★さんのコメントです。各レポートのまとめも行われています。



関連エントリーJAWACON3Fの上映作品の作者氏のサイトを集めてみました

「Studio MOMO」主催「もも展」感想(「コレクター魂」「TrinTrin 第5話:脱出」「DragonBuster」「未来環境防衛隊ドラゴンマン」「KAGUYA −誕生−」)

CG系コミュニティサイト「Studio MOMO」による展覧会「もも展」の感想です。
作品数が膨大なため、タイプ「Movie」の出品作品のうち、特に秀逸と感じた数作品に限定して取り上げたいと思います。
リンクは「MOMO」の用意したムービーへの直接リンクURLですが、()内に作者氏のサイトを併記しています。なお、どの作品もFlash等に比べると容量が大きいので、ダウンロードの際はご注意を。
9月1日追記:「もも展」終了に伴うリンク切れにより一部リンク先を変更しました。

コレクター魂(立体動画劇場)

フィギュアコレクターのロボットを主人公としたナンセンスギャグアニメーションです。


一応同作者氏の手によるアニメーション「コレクター魂」の続編「不思議体験」編と銘打ってはいるものの(リンク先から第1話も観覧できます)、前作との共通点は同じキャラクターを使っているだけで特に続きものという訳ではなく、冒頭で簡単なストーリーの概要を説明してくれるので、わざわざ第1話を観覧しなくても鑑賞に困る事はないと思います。

あたかもナンセンスギャグ漫画のようなノリで進行する物語と、随所で挿入される既存のゲームやコミックからの引用であろう定型化したベタなコメディ演出が面白く、安心して笑える作品です。アクションアニメとしての出来も丁寧で、派手でコミカルな動作がほのぼのとした世界観とひしめき合う様はギャグを差し引いても見ごたえがありますし、自主アニメとしてはかなりの長尺にも関わらず明らかな手抜きや雑さが見られる部分がない誠実な作りに好感が持てました。


ただ、これは意図的かも知れないのですけど、扱っているギャグのセンスが全体的に古臭いこと(水玉の記号で流れる汗の表現など(笑))、米国カートゥーン風の手法を取り入れて前半は完全にサイレント劇を貫いているにも関わらず、後半に入って(やや蛇足的とさえ言える)ナレーションが唐突に挿入される事などが、作品の統一感を乱す要因となっていたようで気になりました。折角非常に丁寧で解りやすい演出力を持っているのに、作者の意図が伝わらないことを恐れたのでしょうか?

TrinTrin 第5話:脱出(LWeb3D)

同作者氏によるアニメシリーズ「TrinxTrin Series」の5作目です。


これまた上記した「コレクター魂」と同じく独立したオムニバス形式のシリーズで、しかも特に複雑な設定などはない作品なので、元ネタを知っていれば素直に誰でも楽しめると思います……楽しみ方は全く別になってしまうでしょうが。


僕は元ネタを知っている立場から見たのですけれども、単純にパロディムービーとして非常に再現度が高いことや、元ネタにおいては戦闘の決着をつける大技として使われていた技がことごとくギャグ的に空回りされている演出(最後の棒を掴んで大回転とか)がいちいち上手くて、大いに笑わせてもらいました。
また、途中から映画風のスタイルのみならず、格闘ゲーム風のそれも取り入れて、戦闘場面をあたかもゲームの一場面のように見せてしまう事で、全編の徹底した「リアリティの無さ」を逆手にとってシニカルな笑いを生んでおり、元ネタへの批評的意趣返しも兼ねて面白い趣向になっていました。広くはお勧めできませんが、元ネタを知っており、かつあまり良い評価を持っていない人(自分の事ですけど)は見てみて損はないと思います。


しかし、やっぱりあの「アゴが外れる」古臭いギャグは不要でしょう(笑)。上記した「コレクタ〜」といい、ああいう寒いギャグを意図的に取り入れるのがCGアニメで流行しているのでしょうか?(んなわきゃない)

DragonBuster(K.Y.FACTORY)

古典的なRPGに題材を取ったアクションアニメーションです。


まともに描けば何十時間にも及ぶ大作になってしまうだろう題材を出来るだけコンパクトに纏めるため、内容は完全なダイジェスト形式になっており、個別のシーンが淡々と移り変わっていくため、演出のリズム感に慣れない内は戸惑うかも知れませんが、個々のシーンの動画の完成度は大変高く、大迫力のオープニング・シークエンスから映画的な演出で観客を作中世界に引き込んできます。
冒頭のドラゴン襲来のシーンにも明らかですけれども、基本的にデフォルメされた図柄でありながら、大きいものはずっしりと大きく、小さいものはこじんまりと小さく互いを対比しながら描き分けて、またそれぞれを緻密なディティールによりきちんとリアルに見せている作者氏の筆力は確かで、長尺にも関わらずそうした作品の基本線がブレることもありません。


また、RPG的なストーリーということで、リアルに描写した場合ストレートに見せることを躊躇われるような残虐な殺戮が行われるシーンも見られるのですけれども、キャラクターのデフォルメによって過剰に残酷になることを回避しつつ、また一つ一つのアクションを見やすい形にまとめているのも非常に上手いです。主人公チームのそれぞれの武器(剣、斧、魔法)が実にそれらしく描き分けられているのも、ファンタジーの世界に独特のアクチュアリティを与えています。


贅沢を言えば、ラストシーンに至るまで最初の淡々としたリズムが崩れる事なく作品が終わってしまうのには一抹の勿体無さを感じるので、エンディングシーンで一盛り上がりつければ、より作品全体の洗練度が上がったのではないかと思います(そこまでやる余裕がなかったのかも知れませんが)。

未来環境防衛隊ドラゴンマン*1(ドラゴンマン動画オンライン)

ハイクォリティな特撮系CGアニメーションです。


なぜかキメキメのポーズ+黒ずくめのスーツで登場するドラゴン戦士のギャグスレスレのインパクトもさることながら、バックに流れているのがちゃんとオリジナルのテーマソングだったり、敵怪人との戦闘シーンが悉く異常にスタイリッシュだったり、そもそも動画自体のクォリティが半端でなく高かったり、アマチュア臭皆無な作りの”スキの無さ”では今回の「もも展」でもトップクラスだと思います。…と思ったら作者氏は「よんでんメディアワークス」という香川県の映像制作会社の方だそうで、納得。


上記したような要素も勿論素晴らしいのですけれども、この作品の最大の美点を挙げろというならば、迷う事なく「アクションシーンにおける重力のある演出の実現」を挙げたいと思います。これは大昔から特撮系作品全般に付きまとっている基礎的な問題ではあるのですけれども、特にリアル3D系のアニメーションで一番難しいのはいかに(本当は重力のない)デジタルの世界を重力のある「リアル」に近づけるかという事であって、それができないと漫画的・アニメ的な演出に行くしか無くなってしまうわけですが、この「ドラゴンマン」は随所のアクションシーンにおいて、おそらく低予算製作だろう短編作品ながらに立派に「重たいアクション」を実現していて、見ていて感激してしまいました(中盤の「バスが飛んでくる」シーンだけは嘘っぽいな、と感じましたが)。


ドラゴンマン・オンライン」と題したこちらのページによれば、何でも「ドラゴンマン」とは香川県の広告会社が中心となって展開している子供向けのイベント用キャラクターだそうで、未来の主役である子どもたちを取り巻く環境を守るために悪の組織と戦うヒーローという設定だそうです。うーん素晴らしい。ドラゴンマンが日本の子供達を救う!腐敗した政治家とかも退治してくれるに違いない(関係無い)。

KAGUYA −誕生−(VJ URUSHI)

竹取物語に想を得た幻想的なアニメーションです。


まばゆいばかりの光の演出に目を奪われがちな作品ではありますが、実はその背後にある「闇」の演出が徹底しています。可視領域ギリギリまで彩度を下げた背景にあってこそ、その身のうちから人とは思えぬ輝きを放つかぐや姫その他の登場人物が、闇世に浮かびあがった月のようにくっきりとした輪郭を持って浮かび上がり、幽玄な美しさをもって観客を魅了します。


見る側の生体リズムを意図的に狂わせるような音楽と合わせて、何とも言えぬ魔術的な雰囲気を持った作品。物語が冒頭だけで全然完結していないのも、この際「観客を惑わせる為の演出」の一環ということにしましょう(笑)。

総評

念のため書いておきますが、全42作品に及ぶ「Movie」タイプの作品の中には、ここにとりあげた一部の作品以外にも優れた作品は数多くあります。「空と海と夢」(岬の部屋で〜す。)は豪快なスカイアクションとリリカルなストーリーのギャップが魅力的な逸品ですし、「ガイコツ島」(ガイコツ島のHP)はナンセンスなんだかファンタジーなんだか分からない奇妙な世界観が印象に残る怪作でした。他にも、ちょっとブキミなキャラクターとほのぼのとしたストーリーが不思議とマッチした「プルーの冒険 〜出会い〜」(3Dな部屋)、「萌えアニメ」の範疇に入れて良いやら迷う作画力の高い力作「ひとり|ひとり」(++ インクリメンタル)、ハイテンションな童話のメタパロディ的ムービー「Secret of Little Red Riding Hood*2、文学的な叙情性を帯びたファンタジームービー「Bell」*3などなど、バラエティに富んだ作品が多く見られました。


ここまでホメといて何故全作品感想をやらなかったのかと言えば、単に数が多くて大変だからという筆者側の勝手な事情もありますけれども、上記したような「普通に作品として成立したムービー」のほかに、CGの技術実験的な作品が多く含まれていたため、専門知識のない筆者には敷居が高すぎると感じられたためでした。
今回の「もも展」の出品作には数秒で終わるサンプルムービーや、元の動画(現在製作中の作品など)を再構成した予告編ムービーなども多く、それは恐らく(CGの素人から見た)作品としての出来がどうこうというよりも、純粋に自分の技術をアピールし、それに対する批評を「Studio MOMO」というコミュニティ内部より受け取ることを目的としているのでしょうから、それに外部から偉そうに口出しをするのはいかにも的外れなアプローチと言わざるを得ず、たとえ全作品感想を書いたところでつまらないものになるのは目に見えていると考えたのです。


「もも展」はあくまでもそうしたコミュニティ内での批評・論評を活性化することをその目的としているのかも知れませんし、それはそれで全然悪いことでは無いと思うのですが、純粋に技術的な精度を競った作品の中に、「アニメ作品としての」面白さを追求する(どちらかと言えば外部向けだろう)作品が混じっているのは、ネット上で行う作品展としては少々アンバランスだと言えるかも知れません。
マチュア制作のCGアニメはその殆どがオフラインのコンペティションをベースに駆動していて、なかなかそのレベルをウェブに知らしめる機会がないので(そんなもの必要ないと言われるかも知れませんが…)、「もも展」とは別に完全に外部ユーザー向けのコンペティションを(Studio MOMOとして)設けてみると、Flashなどのウェブアニメの文脈とも繋がる部分が出てきて面白いかも…と思うのですけども、実現可能性は低いのかなあ。


ともあれ、そのようになかなか知る機会のない、優れたCG系アニメーション(及びその作者氏)に数多く出会うことができたので、個人的には非常に楽しい展覧会でした。これからも本イベントと「Studio MOMO」の一層の発展を願っております。

*1:「プロモーションビデオ」から飛べます

*2:サイトなし

*3:サイトなし

週刊少年ジャンプ2005年度38号感想(ネタバレ注意!)

タカヤ−閃武学園激闘伝−

昨日の晩メシを食っているときに何故この漫画が僕にとってつまらないのかということについてしばし考えたのだが、「昔の梅澤春人漫画にソックリだから」という実に妥当と思える結論に達し大変すがすがしい気分になった。梅澤先生と言っても「魔城ガッデム」の頃じゃなくて「BOY」の頃ね。梅澤先生が「絵が古い」とか言われてジャンプ本紙から追放されてしまったあと、単細胞筋肉馬鹿の主人公がチンピラ退治に日夜奮闘する男尊女卑的な世界観がジャンプに不在であることにイラだっていた男子小中学生が、今風の萌え絵とBOY時代から変わらぬストーリーを備えた本作の主要購買層になっているんじゃないだろうか。


んーしかし最近読んだ「ユリイカ 2005年8月増刊号 総特集*オタクVSサブカル! 1991→2005ポップカルチャー全史」(にしても長いタイトルだ)という面白い本に堀越demiさんという方が書かれていた「萌え」についての考察によると、オタクがホモソーシャル的な世界観から逃れて女性性を回復するのに「萌え」は重要な役割を果たしたらしい*1ので、そう考えるとこのタカヤ"ツンデレ"閃武学園激闘伝も(たとえ「最近流行ってるから」というような理由でオタク的要素を取り入れているのだとしても)梅澤先生時代から見れば相当に進歩していると言う事なのだろうか。でも最近の展開からすると(現時点ではそこそこ強い)ヒロインの渚さんもそのうち強くなりすぎたタカヤによって「護られる女」のポジションにすっぽり収まってしまいそうな感じで残念だなー。そこら辺を上手い具合に裏切れば僕にとっても面白い漫画になるかもしれないので期待したい!


ところで、上で書いた「ユリイカ 2005年8月増刊号 総特集*オタクVSサブカル! 1991→2005ポップカルチャー全史」はとても面白い本なのでその手の話に興味のある方は皆買えばいいと思う。


太臓もて王サーガ

この漫画に笑わせられると快感よりも悔しさが先に立つのは何故だろう…。

魔人探偵脳噛ネウロ

僕は昔からいわゆる「推理もの」や「探偵もの」というジャンルが苦手な方で殆ど読んだりしないのだが、その理由のひとつとしてそれが「探偵=正義」「犯人=悪」というような勧善懲悪的な陳腐な構図にすっぽり収まりがちだと言う事があって、勿論ハイレベルな小説作品などではそうした問題はクリアーされているのだと予測は出来るのだが、何故だかメジャーな漫画作品は殆どそんな感じであるので、「ジャンプで推理漫画が始まった」と聞いた時にもまぁたそんな作品かよと相当な偏見を持ってその内容を心配したりしていたのである。が、少なくとも今の所この「ネウロ」はそうした陥穽をことごとく回避しているように見えるので大変面白く読めている。


まあそれは(1巻表紙裏の作者氏本人の談にあるように)この漫画が実は「推理もの」どころかミステリですらない単なる怪奇漫画であるからなのかも知れないのだけど、それでも本作の「敵味方関係無くほぼ全員が悪人」「登場人物の内面に(下手に)踏み込まない」「推理する事を自己目的化しない」などの、従来の探偵漫画が持つことができなかったバランス感覚をまるで当然のことかのように持ち合わせている様は、「探偵漫画としての」良い意味での「新しさ」であると言ってしまって語弊はないと思う。
なんかあまり小中学生のアンケートを取れていないようなので先行不安なところではあるけど、今のジャンプの連載陣で「長続きして欲しい」と思える数少ない作品なのでその通りになって欲しい。タカヤの倍ぐらいアンケート取れればいいと思うよ!そしたら面白いのにねえ。

Mr.FULLSWING

影を見られるのが弱点なら太陽を覆い隠すことが先だ!吹けよ風呼べよ嵐ということで最終局面に来て突如天候が変わり主人公チームが有利になるというソリューション。最後は雷(本物)と一緒にバッター目がけて落下する天竜でジエンドだ(命とか)

*1:詳しく知りたい人はちゃんと本を買って読んでください!ページは140ページ下段20行目から141ページ上段最終行まで!

「Studio MOMO」にて「もも展」開催中!

日本の代表的なCGアニメーションポータルの一つである「Studio MOMO」にて、コミュニティ参加者の作品出品による「もも展」が開催されています。
タイプ別の作品一覧はこちらです。


僕はまだ全然見れていませんが、後々「Movie」テーマの出品作品の中から印象的なものを幾つか選んで感想を書く予定でいます。新作だけでなく旧作も数点出品されているようです。

今日のFlash(「センカイキ 〜 Senkai - ki -(前後編)」「バスが来ない」)

センカイキ 〜 Senkai - ki -(前編)(後編)

ふらぽ」さん製作の人形劇風Flashアニメーションです。


Flashアニメーションにおいて人形劇的な手法を取り入れた作品はアマチュアの世界でも特に珍しくはなく、代表的な作品の例としては「可愛くなったありさん」のぴろぴと氏による「まーちゃんのりんご」、「N-GRAVITY」のnae氏による「ハクシャクノテンシ」などの著名な傑作があり、本作「センカイキ」もまた「人間界に降りてきた精霊と人間の交流」というメインストーリーからして、特に後者の「ハクシャク〜」の影響下にある作品ではないかと推察できるのですけれども、例に挙げた二作品との大きな違いとして、「ハクシャク〜」は(人形を操っているものが見た目には判断できない事から見て)「糸遣い人形劇」、「まーちゃん〜」は「棒遣い人形劇」風の体裁であるのに対し、「センカイキ」は「手遣い人形」をそのモチーフとして選択していることがあります。
ふらぽさんの元々の画風でもあるという、頭の大きなデフォルメの効いた人物造詣は、手遣い人形劇で用いられる人形のそれとマッチして秀逸ですし、また(意図的なのか単なる作画の労力削減のためなのか)、アニメの特性を取り入れて動きまくる「ハクシャク〜」のそれとは違い、ほとんどアニメーションせず静止画的に操作されるキャラクター達が、それにもかかわらず「まーちゃん〜」にあるような人工的で無機質な冷たさの感覚から逃れて生き生きとしているように感じられるのは、糸や棒を用いたそれではなく直接人の手で動かしていることが伝わる細やかな挙動*1の表現の賜物でしょう。


また、これは「まーちゃん〜」と共通する点でもあるのですけれども、「人形劇」としてのストーリーを進行させると同時に、幕間の場面などで背景のセットや人形を(”操演者”の手によって)片付けたり準備するという「メタ人形劇」を進行させていることも注目されます。「まーちゃん〜」においてはシニカルな悪意の表現として機能していたそれが、道徳的でヒューマニスティックなストーリーと、(時にはコメディリリーフの役割さえ担う)可愛らしいキャラクターを通過した事によって、かえって作品のアットホームな雰囲気を強調することになっているのは面白いです。しかしあのウサギやクマのキャラクターは本編と何の関係も無いように思えるのですけど(笑)。


上記したような技法をフルに活用するために選択したのだろう、ベタな物語性を含めて完成度の高い作品と感じましたが、「天界」側のキャラクターが多すぎるためか、リンク先のFlash作品の下にある説明を読まないと、登場人物の人間関係がスムーズに理解できないのは、児童向けアニメーションとしてはやや不備な点であるようにも思いました。いっそのこと、あまり出番のない「神様」のストーリーを削ってでも、「石の精霊イセ」と「少女」の物語に力点を置いた方が、作品の内容がクリアに伝わるものになったかもしれません。
あと、細かい点ですけれども、画面下部に表示される「登場人物のセリフ」の部分が、どのキャラが喋っているのか分からなくなる場面が少々見られました。セリフをキャラクターごとに色分けするなどの処理を施せばより解りやすくなるのでは…。


参考:人形劇・人形の種類いろいろ

バスが来ない

2ちゃんねるFlash・動画板のFlash作者「蚤様部屋」さんの新作です。


浅草系和洋ちゃんぽんすちゃらか楽団はらいそ」の製作による、アンダーグラウンドないかがわしさを隠さない原曲を、「バスが来ない」という歌詞を利用して、多くの人に広く受け入れられそうなポップでムーディーな作品に仕立て上げた作者氏の手腕が見事な一作です。蚤様部屋さんは他にも深夜アニメやサブカル番組・CMに題材を得た作品を数多く発表されているのですが(作品一覧は「蚤様部屋-FLASH-」にあります)、そのどれもが(原作にあっただろう)「オタクっぽさ」や「マニアックさ」といった「アク」を抜き取られて、どんな人にも見易い形に再構築されているのがわかりますが、これは偏に作風のポップさの賜物だと思えます。
本作「バスが来ない」で言えば、そうした解りやすい「バスが来なくて大変だ」という単純なテーマが前面に押し出されたことによって、原曲が持っていたはずのアレゴリカルな奥深さが捨象されているのはどうなんだ、と思えなくもないのですけども、まあこれは殆ど好みの問題になってくるのかも知れません。


あと、これは「蚤様部屋」さんに限った話ではなく、最近の2ちゃんねる系(というかアスキーアート系)のFlashに顕著な傾向なのですけれども、アスキーアートを過去の2ちゃんねるFlashにあったような「2ちゃんねるのネタ」として扱うのではなく、純粋にビジュアル的な「可愛らしさ」や「面白さ」をキャラクターチョイスの動機として用いていると言う事があり、この「バスが来ない」にしても話の中身は完全オリジナルである以上、わざわざ2ちゃんねるアスキーアートを使わなくてもアニメとして成立できる題材であるにも関わらず、アスキーアートの見た目のインパクトや性格表現(本作であればドクオの表情など)をあえて用いることによって、更に作品をポップで解りやすいものにすることに成功しているのです。
また、このようにして作られた作品が、「2ちゃんねる」なんかマイヤヒー電車男でしか知らない子供達によって主に受容され、消費されているというのも、文化現象としてはなかなか面白いことのように思いました(別にエセ社会学がやりたいわけではないんですけど)。

*1:あくまで人形劇としてのそれであってアニメとしてのそれではない